第四十三話 クラスではその三
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「そうなってたみたいだな」
「何かイメージ崩れるわね」
海軍といえば格好いいと純粋に思っていた、だがそれがというのだ。
「そうした病気がだったのね」
「インキンに水虫な」
この男子生徒は琴乃のことも気遣って自分があえて言った。
「なってたんだよ」
「そうだったのね」
「インキンってかかったら凄くてな」
今度はどうなるかという話になる、インキンにかかってしまった時は。
「痒くてかいてたら肌がボロボロになってな」
「それ足の方もよね」
「ああ、水虫もな」
そちらもだというのだ。
「水虫ってあまり酷いと足を切ることもあったらしいな」
「えっ、水虫でもかよ」
「足切るの?」
「そんなに怖い病気だったのかよ」
「まさか」
「そうだよ、手塚治虫先生がな」
日本の漫画を形成したと言ってもいい漫画家だ、戦後の漫画界における巨人であり不世出の異才と言ってもいいだろう。
「若い頃、戦争中な」
「水虫でかよ」
「足を切りそうだったの」
「栄養失調で悪化してな」
そのせいでだというのだ。
「それでなんだよ」
「それが助かったの」
「何とか」
「ああ、運良くな」
実際にあと少しで足を切るところだったらしい、そこで医師に救われて医学の道を志したと言われている。
「手塚先生の話を聞いてるとな」
「水虫も怖いな」
「そうよね」
「インキンもそうなんだろうな」
「多分ね」
こうした事態になるというのだ、そしてだった。
琴乃は無意識のうちに自分の足を見た、その足を包んでいる靴を見て言うのだった。
「女の子もなるわよね」
「女の子はインキンにはならないよ」
それはないというのだ、男子生徒は言う。
「タムシにはなってっもな」
「そうか」
「そうだよ、ならないよ」
こう言うのである。
「付いてるものが違うから」
「わかりやすいわね」
「まあ出来る場所は変わらないけれど」
あえて深くは言わないのだった、この辺りは。
「それでもな」
「それはいいけれど」
「けれどタムシにはなってな」
それでだというのだ。
「水虫にもな」
「なるのね」
「男でも女でもなるよ」
病原菌は性別を選ばない、この手の病気にしても。
「そこは痛風とかとは違うよ」
「女の子は痛風になりにくいのよね」
「体質的な問題でな」
この病気は男の方が多いのだ、だがそれとは別に女の方が男よりもなりやすい病気もあるのである。どの性別が得かということもない。
「けれどインキンタムシに水虫は」
「女の子でもなのね」
「不潔にしてたらな」
風呂に入らない、同じ服を何日も着たりしていると。
「なるよ」
「怖いわね」
「不潔にしてたらなるんだよ」
そうなるというのだ。
「だからお風呂に入
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