第一部
第一章
和姉
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イ小説を書き始めて、高校生になったと思ったら本出版して、売れて、高校辞めて、色んなサイトや出版社飛び回って、毎日夜遅くまでパソコンいじっている。
「えー、でもなんか特別って感じでカッコいくない?」
「そうかぁ?小説なんて書こうと思えばいつでも書ける。うちは家庭内状況がちょっと変わってっから色々体験できたし、結構お金かけて育ててもらったし、親も妹も相当変わってるけど優しいし良かったよ。」
あたしも姉も中高一貫の私立学校に通っている。いや、姉の場合は通っていたになるのか。まぁ、さっきの話を聞いただけじゃうちの家の良さが分かんないだろうけど、両親ともにあたし等にはなんだかんだ言って超優しいし、ちゃんとここまで育ててもらったんだから感謝しないとね。
「そうだね。でも、なんで族に入ったの?」
「あー、あれは別。仲間は悪い奴じゃないし、みんな結構な事情抱えてっからさ。恰好が格好だから変な目で見られる時もあるけど、もともと人助け目的だったんだし。かっこよくね?バイク好きな女が七人、町のために活動中!なんてさ。」
「確かに毎朝五時くらいからこの町を清掃してるのは凄いし偉いなって思うけど、他のチームと喧嘩するのはなんかヤダな。」
「そうだな。まぁ、分かんなくもないけど、仕方ないんだな。女対女だし、そこまで強ぇ奴いやしない。」
「そうじゃなくて・・・。ほらなんて言うか。」
「姉が暴走族なのは嫌?」
「別に嫌じゃないけど・・・。」
「けど?」
「・・・。」
「フッ、あんたは中学生だろ、そんな顔すんな。笑ってろ。」
「へ?」
「よし、このコンクールで優秀賞以上とったらきれいな布買いに行こうな。」
「え、いいの?」
「ん。それとも、ミシン欲しいか?アイロン?」
「え、そんな高価なものは遠慮します。」
「顔に出てるぅ。まぁ、優秀賞とれる作品なんて書けないけどな。」
「そんなことないって。」
「でも、よく考えたら、族の女が小説書いてるなんて笑えるよな。」
「そうかな?いや、笑えるどころじゃない。それ、エッセイにすれば?」
「そんなことしたら炎上するか、嘘だと思われてシケシケになるかのどっちかじゃね?」
「そうかなぁ?」
「そんなもんだよ、きっと。書いてみなきゃ分かんないけどさ。」
「あ、このクッキー美味。」
「ホントっ!うれしー。」
「フッ、妹にこんなに美味しいもの貰ったら、次のコンクールマジで頑張んないといけないな。」
「へへ、ミシンよろしくね。」
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