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銀色の魔法少女
第四十七話 夢の終わり
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 そう言って苦笑いを浮かべる彼女。

 その表情には、どこか吹っ切れたような清々しさを感じた。

「遼ちゃん、な「おっと、どうやらおしゃべりはここまでみたいだね」」

 そう言って彼女は空を指差す。

 曇天だった空に、僅かながらも光が差し込み始めていた。

「もうすぐ、はやての権限と共に、私も消える、たぶん記憶を失っていつも通りの戦場 遼を演じることになると思う」

 その前に、と彼女は別の方向を指差す。

 そこにあったのは扉だった。

 平原には似つかわしくない不自然すぎる白い扉。

 壁も屋根もなく、ただ扉だけがそこにある。

「はやてがもしこの世界の中にいたいのなら、このままここで雨が止むのを待つといいよ、けど、そうでないのなら――」

 それ以上、私は彼女の話を聞かなかった。

 傘を捨て、扉のところまで走る。

『やっぱり、そっちを選ぶよね』

 彼女の声が、頭の中に響く。

『うん、夢は夢や、いつかは覚めてまう、そんなのより私は――』

 力強く、ドアノブを握りしめて、

「『現実(いま)を選ぶ!』」

 扉を、開いた。







 side 遼

「うん、やっぱりそうだよね」

 私は彼女がいなくなって、崩壊し始めた世界にいた。

 空は割れ、地面は崩れ、もうすぐここがなくなるのは目に見えていた。

 私も早く脱出しない、と巻き込まれて脳死状態になりかねない。

「でもその前に」

 私は振り返って、”それ”を見つめる。

 ハヤテが通っていった白い扉とは違い、真っ黒に塗り固められた扉。

「彼女から呼んでくれるなら話が早い、ちゃっちゃとやることやらないとね」

 その扉に吸い込まれるように、その中へと消えていった。






 side はやて

「……ここは?」

 目を覚ますと、不思議なところにいた。

 周りは黒い雲に覆われたように何も見えなくて、足元にある魔法陣が照らしてくれなければ、自分の姿も見失っていたかもしれない。

 そして、下を見たときに気づく。

 毎日使っているためか、所々気づついた私の車椅子。

 それが、ここが現実だと教えてくれた。

「お目覚めになられてしまいましたか、主はやて」

 顔を上げると、そこには薄ら輝く女の人、私の五人目の家族がそこにいた。

「うん、ちょっと残念やったけど、外が大変なことになってるのに私だけお寝坊さんなんて、神様が許しても私が許さへんよ」

「……やはり、全て知ってしまわれたのですね」

 彼女はそう、悲しげに私を見つめる。

「そうや、だから私に協力して、『リインフォース』」


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