ロノフィンは何処に?
明星の英雄
ロノフィン組A
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爪をドレイクに向けた。
「おいおいまさか?」
ドレイクの嫌な予感は的中、テンノウガザミは爪の間の穴から水弾を乱射し始めた。
「うおおおおおおおおおお!なんて出鱈目に撃ってきやがんだあの蟹は!」
狙うという概念が全く無いかのような撃ちっぷり。
しかし、テンノウガザミの奇想天外な行動はまだ続く。
「なんだ?キノコを引っこ抜いたぞ。」
テンノウガザミはキノコが生えている場所からマヒダケを引っこ抜いた。
それをおもむろに口へ運ぶ。そして、
「ぐあっ!」
その後に発射した水弾が地面に着弾した瞬間、周囲に着弾していた水弾と反応を起こし、電撃が散った。
麻痺効果も付加されていたらしく、ドレイクはその場に倒れこんだ。
「ぐっ…クソッ。」
その時、ワーノルドの吹く戦神埜宴の音色が響き渡った。
「お?どういうことだ、体の痺れが取れた…。」
ドレイクは立ち上がり、ワーノルドの方を見る。
「一体あの狩猟笛はどれだけの旋律を奏でられるんだ…。
おっと、今はアイツに集中しないと。」
ドレイクは再びテンノウガザミに向き直る。
だが、テンノウガザミは爪をだらりとぶら下げ虚ろげにしていた。
「しめた…。疲れているな?ワーノルド、そろそろ降りて来い!コイツは疲れているぞ!」
「すぐ行きます!」
ワーノルドは戦神埜宴を担いだまま断崖から飛び降りた。
その瞬間
「ぐぉあ!?コイツ…っ!」
テンノウガザミがドレイクへ爪攻撃を行い、真っ先にワーノルドの方へと向かった。
「図ってやがったのか…。狡賢いヤツめ…!」
テンノウガザミは脚を巧みに操り、ワーノルドへ迫る。
「もう一度登るんだワーノルド!今なら間に合う!」
だが、ワーノルドは逆にテンノウガザミに歩み寄る。
そして戦神埜宴を演奏の構えに持ち込み、吹き始めた。
「なん…だ?この音。」
今戦神埜宴が発している音色は先ほどドレイクの麻痺を拭い去った時の音色とは一風違った音色。
雄大な、しかしどこか悲壮が漂う音色。
少しの間聴くなら問題ないが、ずっと聴いていると鬱になりそうな音色だった。
「さっきの音色とは全然違う…?それにヤツの動きもおかしくなっているな。」
テンノウガザミの詰め寄る速度は次第に遅くなっていき、最終的には痙攣しながらその場へ倒れこみ眠ってしまった。
「ワーノルド、お前は一体…?」
「―――古龍武器とは本来神器の一つとされ、祠を建て祭られるべき物。
実は俺、その祠を代々管理してきた一族の末裔なんです。」
「な…なんだって?」
ワーノルドは戦神埜宴をしまい、爆弾を設置し始めた。
「ああ、心配要りませんよ。祠の方にはレプリカを飾って
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