第二部 文化祭
第43話 きっと変わらない日々
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「たああああっ!!」
気合いと共に、細剣ソードスキル?ペネレイト?を発動させる。目の前の巨大なカエル型モンスターに命中。
栗色の長い髪を少し邪魔くさく感じ、右手で払いのける。
続いて和人が、下位ソードスキル?ホリゾンタル?をモンスターに打ち込む。
ガラスの割れるような衝撃音。モンスターが力尽き、その身を四散させた。
「パパ、ママ、つよーい!」
ユイが笑顔でパチパチと手を叩く。明日奈はにっこり笑い、ユイと同じ目線になるようにしゃがむ。
「ありがとう。ユイちゃんが応援してくれてたからだよー」
「だな。さすがに、愛娘にカッコ悪いところは見せられないからな」
「もー、キリト君ったら」
そう言って、和人の肩を軽くパチンと叩く。すると、あまりにも大袈裟に痛がるので、今度は思いっきり足を踏んづけてやった。
「……今のはほんとに痛かった」
「誰かさんが余計なことをするからです」
「ふーん……」
和人がまだ何か言いたそうに口をひん曲げているが、ここはスルーしておくことにする。
──と、明日奈は例の屋敷を発見し、そちらを指差す。
「あ、あれじゃない? ……ってキリト君、何してるのよ」
和人の後ろ姿は、いつになく楽しそうだ。振り向いた顔に、にやりと笑みを浮かべる。
「アスナ、これ見てくれよ」
「ん? 何を?」
「これこれ」
明日奈は、和人の手にある?これ?を一瞥し──
「こ……これ、なに?」
「さっき倒したカエルの肉! ゲテモノなほど旨いって言うからな。あとで料理してくれよ」
「絶、対、嫌!!」
明日奈は叫ぶと、和人の手から?それ?をもぎ取り、勢いよく投げる。遠くでカシャーンという破砕音が聞こえた。
「……ッま、まだあるぞ!」
諦めの悪い和人が、今度は両手いっぱいに?それ?を抱え込んで言う。
──一体どこから出してきたのよ!
「こ、これだけあれば……って、アスナ!?」
「いやぁぁぁぁぁぁ────────っっ!!」
「ああああああ!! 何するんだアスナ! 少しくらい置いといてくれても──」
「い、やあああああああああ!!!」
悲鳴を上げながら、容赦なく次々と放り投げる。ついに、最後の1つをも消し去った。
「あっ! あああぁぁぁ……」
世にも情けない顔で悲痛な声を上げる和人の襟首を掴み、明日奈はずんずんと歩き出した。
**
「着いたねー、お屋敷」
「そうですね」
和人がぶっきらぼうに言う。
「……キリト君、まだ拗ねてるの?」
「別にー」
どう見ても未練がましそうだ。
「あんまり拗ねてると、明日からのお弁当は毎日日の丸弁当になるわよ?」
「う……だ、だから別に拗ねて
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ