初めての挑戦
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して勝利を収めている。
一人一人のレベルが非常に高いからこそできる訓練だろう。
もっとも、それが面白いかどうかといえば、決してライナは面白いとは思わない。
ただ淡々と仕事をこなす作業など、ただ時間が無駄なだけだ。
「さて、今日もお疲れ様。明日は別の想定で訓練をしてみよう」
「いいですか?」
「何だい、テイスティア候補生」
「互いの連携についても確認しておいた方がいいのではないですか?」
テイスティアの言葉に、フォークが片眉をあげた。
「君は私が最初にたてた方針を聞いていなかったのか?」
「聞いてはいました。ただ、今は上手くいっていますが、敵対することで見えることもあると思います」
「時間の無駄だと、最初に言ったはずだが。このチームでは一人一人が完璧に仕事をこなせば、誰にも負けるはずがない」
「こちらが完璧にこなしても、相手がそれ以上完璧なら負けることに」
「我々以上に完璧な人間などいない!」
怒声と言って良い言葉に、テイスティアは言葉を止めた。
テイスティアを睨みつけながら、ふとフォークは気づいたように顎に手をあてた。
「なるほど。そういえば、君はマクワイルドと昔同じチームだったな」
「ええ。でも、今は敵同士です――だからこそ、油断できないと言っています」
「油断などしていない。それとも、君はこちらの情報をマクワイルドに売るつもりか……なるほど、それなら戦いたがるわけもわかるというものだ。対戦相手は良く見えるだろう?」
「それは本気でおっしゃっているのですか?」
「いいぞ、何だったらマクワイルドのチームに行けばいい。君一人いなくても、このチームは何ら問題がない。どうする、テイスティア参謀長」
「……」
「どうすると聞いているんだ、答えたまえ!」
フォークの畳みかける言葉に、テイスティアはゆっくりと首を振った。
「いえ、このチームで戦いたいと思います」
「懸命な判断だ」
勝ち誇った笑みを浮かべて、フォークは満足そうに頷いた。
「時間をとらせたね。明日も同じ時間で、今度はもう少し難しい訓練をしてみよう――テイスティア候補生は、明日はこなくてもいい。ゆっくりと反省する時間が必要だろう」
そう告げると、フォークが立ち去った。
「何か、悪かったね」
それを見届ければ、小さな謝罪の言葉とともにテイスティアも歩き去る。
残されたのはライナを含めた三人だ。
「どうもテイスティア先輩はどうも烈火のアレスを過大評価しているらしいね」
「油断はしない事にこした方がいい」
「君もか、ハワード候補生」
ハワードの言葉に、ウィリアムは大げさにため息を吐いた。
その様子にまあと短く答えれば、悪くなった空気から逃げるようにハワードも姿を消した。
「臆病
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