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勇者番長ダイバンチョウ
第6話 男は死ぬまで男を貫く! 古き極道の古き喧嘩道
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い状況に追い込まれていた。
「駄目です隊長! 全然消えるどころか勢いが増すばかりですよ!」
【ばっきゃろぉい! わしらが此処で諦めてどうするんじゃ! わしらは天下の紅組じゃぞぉ! その紅組がこんな程度の放火で諦めてどうするんじゃぁ!】
「レッドの言う通りだ! 気張れよお前等!」
 隊長とレッドが激を飛ばす。だが、火の勢いは増すばかりだった。それどころか、放火犯でもある極悪組の組員を倒そうとやってきたバンチョウでさえ危機的状況の立たされている。
 その光景をレッドはまじまじと見せられていた。
(悔しいのぉ……こげな状況じゃと言うんに、わしゃ何もする事が出来んとは……)
 歯痒い気持ちがレッドの中に残る。かつては宇宙を駆け回った札付きの極道だった自分が、目の前で悪事の限りを尽くしている輩に対して手拱いている。そんな現状がレッドには溜まらなく悔しかったのだ。
「ボケっとするなレッド!」
【うっ! す、すまんのぉ!】
 どうやら手が遅れていたのを隊長が察したのだろう。隊長の怒号が飛び込む。再度消火活動を再開し始めた。
 正にその時、丁度隊員達の真上にビルの瓦礫が落下してきたのだ。
 瓦礫は地響きを立てて紅組達の元へと落下してしまった。幸いにもレッドはそのすぐ横に居た為に被害はなかったのだが、紅組の殆どがその瓦礫の下敷きになってしまっていた。
【た、大将! おまんら!】
 レッドが見た時、其処には殆どの隊員が身動きの取れない状態に立たされていた。更にその瓦礫はかなりの熱量を持っている。このままでは隊員全員が焼け死んでしまう。しかし大きさが大きさだ。人間の力ではもてない。
 だが、頼みのバンチョウはとても手伝える状態じゃないし、自分は只の消防車だ。何も出来ない。
【待っとれぃ! すぐにこげな瓦礫退かしちゃるけぇのぉ!】
 諦めて溜まるか。その思いと共にレッドは瓦礫に向かい車体を突撃させた。しかし、瓦礫はビクともしない。更に火の勢いが増して行く。隊員達の顔に苦悶の表情が浮かび出して来た。
「馬鹿野郎! 何やってんだレッド! お前だけでも消火をしやがれ! この町を火の海にしてぇのか!」
【大将! わしは、前に奉公していた組を捨てた情けない男じゃ! じゃけんどなぁ。もうあんな思いはしたくないんじゃ! やらなくて後悔するなんざ男でも極道でもない! ワシは宇宙にその名を轟かした天下無敵の極道じゃ! その極道が、この程度の炎でビクついていられる訳ないじゃろうがぁ!】
 レッドの魂の叫びが木霊した。その時だった。消防車であるレッドの体内で何かが熱く燃え上がってくる感覚が感じられたのだ。
 回りの炎とは違う別の熱量。まるで魂が燃え上がってくる感覚をレッドは感じ取っていた。
 そして、レッドの体中に未知なる力が溢れ出てくる感覚も同じ様に感じる。
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