暁 〜小説投稿サイト〜
勇者番長ダイバンチョウ
第6話 男は死ぬまで男を貫く! 古き極道の古き喧嘩道
[6/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
である。焦りながらも話を逸らすかの様にバンチョウは話を続けた。
【それよりも、天下無敵の極道と謡われたゴクドウ星人が何でまた消防車なんかになってんだよ?】
【ま、ワシにも色々とあったんじゃよ】
 何所か遠くを見つめるような感じに消防車ことゴクドウ星人は呟いた。
 どうやら訳ありのようだ。
【話してみてくれよ。この星には俺みたいな同業者が少ないんでな。少しでも同じ仲間が居た方が俺としても気が楽になるぜ】
【そかぁ。そなら話すとするわぁ】
 軽く一呼吸を起き、ゴクドウ星人は語り始めた。


 彼の名称である通り、ゴクドウ星人とは全宇宙を股に駆けて仁義を通す根っからの極道のことなのだ。
 中でも彼は一、二を争うほどの実力者でもあり、向う所敵無しと謡われる程の逸材でもあった。
 そんな彼はかつてとある宇宙にその名を轟かしていた【星雲組】と呼ばれる組に奉公しており、其処の舎弟頭を勤めていたのであった。ゆくゆくは次期組長に期待されていた程の存在であったのだが、其処である不幸が起こった。
 星雲組の会長が突如としてこの世を去ってしまったのだ。ゴクドウ星人にとって本当の親父同然の存在だった会長の死は、ゴクドウ星人にとってとても辛い現実であった。
 しかも、彼への不幸はそれだけでは納まらなかった。
 会長が居なくなってしまった為に次期会長として選ばれたのはその息子であった。だが、彼に前会長ほどの力がある訳ではなく、彼自身も任侠や仁義などよりも金儲けにしか目がない男であった。
 そんな男が、事もあろうに自分達の組を極悪組に売り渡してしまったのだ。
 当時二大勢力として長い間争い続けてきた星雲組と極悪組。仁義と任侠を重んじ、弱きを助け強きを挫くをモットーとしていた星雲組に対し、弱者だろうと何だろうとお構いなしに略奪と謀略を繰り返す正真正銘の極悪集団である極悪組。この二大勢力は互いに認め合う事などなく激しい抗争を繰り広げていたのだ。
 だが、前会長が急死し、新会長として就任した息子の下に、極悪組は多額の金を振り込んできたのだ。無論、この金は組の買取金である事に他ならない。こんな汚れた金など、本来なら受け取る筈がない。
 だが、新会長はそれを受け取ってしまった。金に目が眩み、迷う事なく星雲組を売り払ってしまったのだ。
 結果として、星雲組の土地や権限、更には人員に至るまで全てが極悪組の傘下となってしまったのである。
 新会長もまた、極悪組の下部幹部に降格させられる始末となってしまい、最早宇宙の殆どは極悪組が掌握したも同然の状態となってしまった。
 そんな中、只一人その現実を認められなかったゴクドウ星人は、たった一人で極悪組に戦いを挑んだのだ。
 だが、多勢に無勢。如何に最強の極道と謡われた彼であっても、宇宙規模の勢力に太刀打ち出来る筈もな
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ