第6話 男は死ぬまで男を貫く! 古き極道の古き喧嘩道
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散に向って飛を消したり逃げ遅れた人たちを救助したりする男らしい車だぜ。ま、少年達の憧れの車って奴だろうな」
あくまで簡潔に、かつ分かりやすく説明した番。その番の説明を聞き、バンチョウの目がこれまでよりも一層輝きを強めた。
【すげぇっ! 地球にはそんな男気溢れる車があったのか! 早速その消防車を追いかけようぜ】
「おいおいそう来るかよ? まぁ、退屈してたしそれも良いか」
番は納得し、バンチョウの荷台に跳び乗る。それを確認すると、バンチョウはアクセル全開にして先ほど通り過ぎた消防車を追いかけていった。
着いた先はとある中層ビルであった。かなり火の勢いが強いせいかビル全体が燃え上がっているようにも見える。
まるで火柱だ。
「隊長! ビル内にはまだ被災者達が大勢取り残されているようです!」
「よし、まずはある程度消火してから内部に突入するぞ!」
火災現場の付近にて数名の消防隊員達と先ほどの消防車が既に到着し、消火作業に当たり始めていた。丁度それとドンピシャのタイミングで番達も到着したのであり。
「お、良いタイミングだ。これから消火をするみたいだな」
【へへっ、どんな男気なのか拝見させて貰うぜ】
野次馬気取りで消防隊の活躍を眺め始める番とバンチョウ。本来ならわれ先にと突っ込んで行きそうな二人だが、彼等にも一応弁えと言う言葉はある。
今回のこれは火事と消防隊達のガチンコ喧嘩勝負だ。いわばタイマン勝負と言っても良い。その喧嘩に横槍を入れるのは男として余りにも無粋な行為になる。
真の喧嘩番長を謡う二人はそんな真似は断じてしないのだ。
「隊長! 消火用ホースの取り付け完了しました。何時でも消火作業が行えます!」
「よし、聞いての通りだ! 頼むぞ、レッド」
【おう、ワシに任せておけぃ! 火事なんざぁワシが全部消火しちゃるわぁ!】
気のせいだろうか? 隊長の指示に対し応対したのは、何と例の消防車であった。
すると、消防車が突如勝手に消火用のクレーンを動かし火に向かい勢い良く放水し始めたのだ。
この一連の動きを隊員達は誰一人やってはおらず、全て消防車単体で行っていたのである。
【オラオラオラァァァ! 消火じゃ消火じゃ消火じゃぁぁぁ!】
気合の篭った怒号を張り上げながら消防車がひたすらに消火作業を行っていく。消火を始めてから数分と経たない内にビルの火災は徐々に弱り始めだし、やがて人の入れる位にまで鎮火をしだしていた。
「よし、突入するぞ! 要救助者の発見を第一に行動、常に二人一組で行動を忘れるな!」
「了解!」
消火作業を消防車に一任し、隊員達は一斉に火災しているビルへと突入した。轟々と燃え上がる火に恐れる事なく挑むその姿には憧れすらも感じられる。
その光景に野次馬達の誰もが憧れの目線を向けている中、番と
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