第6話 男は死ぬまで男を貫く! 古き極道の古き喧嘩道
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の正体を明らかにしてしまった次第だったようだ。
全く、幾つになっても息子が母に勝てる事はありえそうにないだろう。
「それよりも番!」
「な、何だよお袋……」
凄んで見せたが声が震えている為に今一迫力がない。寧ろ何時も以上に弱弱しく見えてしまった。まるで獅子に睨まれた兎だ。
無論、この場合では獅子は母恵で、兎は息子の番である事は当然の如くであり。
「お友達が出来たんなら紹介してくれても良かったじゃない。まして、それがお父さんの使っていた軽トラックだったら尚更じゃない!」
「い、嫌ぁ……普通は其処は驚くところじゃないのか? 普通
軽トラが喋る訳ないだろ? お前等驚かないのか?」
「驚かないと駄目なの?」
番は返す言葉をなくしてしまった。母恵は芯が強い面があるが、反面どうしようもない程のマイペースなのだ。なので、時たまに全く話が噛み合わないと言った場面に遭遇する機会も実際少なくはなかったりする。
まぁ、幸いこの町の主婦達は母のマイペースっぷりには既に慣れてしまっているらしく余り問題視していないようなのだが。
「とにかく、これからはバンチョウ君も家族なんだから、ちゃんと家族らしく接しなさいね」
【お、おう……】
「ん〜〜、そうなると、バンチョウ君は番や真の弟になるのかしらねぇ?」
【!!!、そ、それだけは絶対に嫌だぞ! 確かに俺は番と一緒に何回か喧嘩をした事はあるが、だからってまだ俺は番の舎弟になるつもりはねぇ!】
恵の言葉にバンチョウが物凄く嫌そうな顔をして否定し始める。気のせいか白い軽トラが真っ青に染まっていくようにも見える。
一応言わせて貰うと現状で番とバンチョウはゴクアク星人と戦う為に仕方なく手を組んでいる状態なだけであり、実質二人は味方でもなければ親友でもない。単に利害の一致しただけでこうして共に戦っているだけであり、共通の敵さえば今度は番とバンチョウとの戦いが待っている。
元々はバンチョウも地球侵略にやってきた侵略者である事に他ならないのだから。
そんなバンチョウにとって番の弟になると言う事は事実上バンチョウの敗北宣言となってしまう。それはバンチョウのプライド面的に絶対に認める訳にはいかないのだろう。
「そうなの? 残念ねぇ。折角バンチョウ君と一緒に生活出来ると思ったのに……」
【そ、それじゃこんなのはどうだ? 俺はとある事情であんた等の家の所有物に憑依しちまったんだ。って事は俺はあんた等の家に居候しているって事ならどうだ?】
「う〜〜ん、まぁ、それも良いかなぁ? 二人はどう?」
「別に良いんじゃない? 俺もバンチョウと話していると楽しいしさ」
「おいおい……良いのかよそう言う展開ってさぁ」
ノリノリな恵と真に番は一人反応に困っていた。本心から言えば番は反対だった。現状でこそ番とバンチ
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