第十一話 決勝前夜
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冷ややかな目で見る澪に対し岩鉄は小銭を持って・・・
「牛乳だ牛乳!カルシウムを取って骨を治すぞ!」
元気よく自販機に向かう岩鉄。
好きにやれと言った感じに澪がため息をすると今度は大河に振り返った。
何やら大河は自分の腕のリストバンドを見つめていた。
「それは・・・高嶺竜児のドラゴンリスト?」
「・・・ああ・・・竜児さんに言われたんだ・・・ドラゴンリストは俺の力になるって・・・ちょっと軽く流してくる」
そう言って屋上に向かう大河。
残された澪は疾風の元へ歩み寄り・・・
「あんただけは大人しくしてくれてるわね・・・それだけ良識があるのよね」
「はぁ・・・はぁ・・・恐縮です」
ベッドで横になりながら疾風は身体を治すことに集中した。
静かな病院の中庭ではシグが深呼吸をしていた。
「まさか・・・大河を助ける羽目になるとは・・・奴の首は私がもらう・・・他の者にはやらん」
拳を握り締め小宇宙を静かにたぎらせるシグ。
通路にある自販機の前で
「グビグビグビ・・・ぷっは〜!!おかわり!!」
自販機の隣に置いてあるゴミ箱が一杯になるくらいの量の牛乳の空き容器。
「俺は黄金Jr.の斬り込み隊長だ。だから当然俺が先鋒だ。俺が勝って勢いをつけてやる!!グビグビグビ!おかわり!!」
再び自販機で牛乳を購入してカルシウムを摂取する岩鉄。
先鋒戦に備えて身体を治すことに集中するのだった。
月明りに照らされた屋上
「!!」
真剣な表情でシャドーボクシングをしている大河。
自身の拳に宿った虎を解放するためにドラゴンリストで修練をしている。
「明日は決勝・・・竜児さんのカイザーナックルを悪用させないためにも・・・負けられない!!」
渾身のジャブを繰り出し明日の決勝戦に備える大河。
病室
「ふぅ・・・だいぶ楽になりました」
病室のベッドに腰掛けている疾風。毒の中和は順調のようだが明日までの完治は無理そうだ。
「澪さん・・・すみません・・・」
「あんた・・・次鋒戦以降にした方が良いかもしんないわね」
後遺症を少しでも回復させるには時間があった方が良いと感じる澪。
疾風も黙って頷くと病室に大河が帰ってきた。
「ただ今」
「少しは・・・吹っ切ったみたいね」
先程と違い少しすっきりした表情の大河に頷く澪。
すると大河はある物を取り出した。
「それは・・・誓いの旗?」
大河達三人の名が刻まれた大きな旗を疾風に見せつける大河。
「そう・・・こいつに名前書いとけ・・・一つの志の為に・・・俺達の魂を一つにする為に」
「そう言うの古くない」
「良いの!こういうのは
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