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緋弾のアリアGS Genius Scientist
イ・ウー編
武偵殺し
4弾 ツインテールの転入生
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場以外での発砲は必要以上にしないこと』となっている。つまり、してもいい。まあ、ここの生徒は銃撃戦が日常茶飯事の武偵になろうというのだから、
日頃
(
ひごろ
)
から発砲に対する感覚を軍人並に
麻痺
(
まひ
)
させておく必要がある。だからなのだが……
新学期の自己紹介でいきなり発砲したのは、コイツが初めてなんじゃないかな。たぶん。
「全員覚えておきなさい! そういうバカなこと言うヤツには……」
それが、神崎・H・アリアが武偵校のみんなに発した――――最初のセリフだった。
「――――風穴あけるわよ!」
昼休みになると同時に質問攻めの
憂
(
う
)
き
目
(
め
)
にあった俺は、なんとかクラスのバカども(主に武藤と理子)をまいて理科棟の屋上へと避難した。
だいたいアリアのことを聞かれても、俺には何も答えられないのだ。
今朝
(
けさ
)
初めて会ってチャリジャックから助けられて、それから追っかけまわされたというだけの関係。個人的なことは何も知らないようなものなんだから。
溜息
(
ためいき
)
混じりに
黄昏
(
たそがれ
)
てると……屋上に、何人かの女子が
喋
(
しゃべ
)
りながらやってきた。
声に聞き覚えがある。どうやらうちのクラスの、それも
強襲科
(
アサルト
)
の女子らしい。
こそっ。俺は犯罪者のように物陰に隠れた。って何かこの例えは嫌だな。
訂正。
俺は張り込み時の探偵のように物陰に隠れた。うん、このほうがいいな。
「さっき
教務科
(
マスターズ
)
から出てた周知メールさ、2年生の男子が自転車を爆破されたってやつ。あれ、ミズキじゃない?」
「あ。あたしもそれ思った。始業式に出てなかったもんね」
「うわ。今日のミズキってば不幸だねー。チャリ爆破されて、しかもアリア?」
1・2・3と並んで金網の脇に座った女子たちは、俺のことを話題にしているようだ。
俺はとりあえずこのまま静かに身を
潜
(
ひそ
)
めることにした。
「さっきのミズキ、カワイソーだったよねー」
「だったねー。アリア、朝からミズキのこと
探
(
さぐ
)
って回ってたし」
「あ。あたしもアリアにいきなり聞かれた。ミズキってどんな武偵なのとか、実績とか。昔は
強襲科
(
アサルト
)
で活躍してたよー、って適当に答えといたけど」
「アリア、さっきは教務科の前にいたよ。きっとミズキの
資料漁
(
あさ
)
ってるんだよ」
「うっわー。ガチでラブなんだ」
俺は渦中の人間として、ついつい会話を盗み聞きしてしまう。
朝から、俺を……ってことは、チャリジャックの直後からストーキングされてたんだな全然気が付かなかった。
「ミズキがカワイソー。よりによってアリアだもんねぇ。アリアってさ、ヨーロッパ育ちかなんか知らないけどさ、空気読めてないよねー」
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