副担任 キョウスケ・ナンブ
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「え?はっはい!気をつけ、礼!」
キョウスケは教本を広げて、教科書の内容を読み上げていき、次々と黒板へと書き込んでいく。そのペースはそれなり速く、女子達は取り残されないようにと必死にノートを取っていた。現段階で行っているのは基礎の基礎、取り残される者は居ない。勇太も不通について生けているがその中で一人だけ、顔を青くし教科書に向き直っているままの生徒が居た。織斑 一夏だった。
「(なんだこれ、全く訳解らねぇぞ…どうしたらいいんだ…ええいこうなったら!)」
一夏はなにやら覚悟を決めたように手を上げた。山田先生をそれに気付いて一夏の傍まで寄ってはいっ織斑君っと優しく話しかける。
「ひ、一つも、っていうか殆ど解りません…」
ドサササササッ!!!バキッ!!教室中から何かがずり落ちる音とキョウスケの持っていたチョークが粉々に砕け散った音が響いた。肩に乗っているブロンデーもあ〜あっという顔をしている。キョウスケは砕いてしまったチョークを片付け、代わりに千冬から預かった出席簿を手にとった。
「ぜ、全部ですか…?」
「おい織斑、入学前に渡されたであろう参考書はどうした」
キョウスケのいう参考書とはIS学園に入学する生徒全員に配られる学習資料。電話帳並みの分厚さと重さがある本で、入学生徒はこれをしっかりと熟読する事になっている筈。熟読していれば解らない筈はない。
「古い電話帳と間違えて捨てました!」
「ブロンデー、電撃」
「ぎゃぁぁぁあああああああああ!!!!!!!!!!!」
キョウスケの指示を受けてブロンデーは一夏の頭の上へと飛び乗って、電撃を放出。一夏は電撃に包まれた。アニメでよくある体が透けて骨が見えるような感じになっている。威力的にはでんきショックと10まんボルトの中間地点っという所だろうか。キョウスケが指を鳴らすと電撃が止み、ブロンデーは一夏の頭から降りてキョウスケの肩へとのぼりなおした。
「ぁ…ぁぁ…」
「目が覚めたか」
「おはようございます…」
「参考書は俺の方で手配してやる、ついでに俺が以前使っていたメモもくれてやる。それを使って2週間で全内容を把握しろ」
一夏は身体をギリギリとなんとか起こしなおし、苦しげな声を上げる。
「い、いやあの量を2週間は…」
止めを刺すかの如く、一夏の頭に出席簿が振りぬかれた。
「ぬがぁ!?」
「黙れ、お前に反論の権利はない。本来なら1週間のところだ、そこをまけての2週間だ。それとも俺のメモ無しで1週間で完璧に覚えてみるか」
「い、いいえ。2週間で精一杯努力しますはい…」
「宜しい、ならば授業を再開する」
その後は何事も無かったように授業が再開された。度々ブロンデーによる制裁が一夏に放たれていた事以外、何事も無く授業を進行し
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