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とある星の力を使いし者
第99話
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ろうとしていたので、渋々もう二人分作る事にした。
上条とインデックスはリビングの床に座り、麻生は台所で料理を作っている。
上条が体験した出来事を麻生は料理しながら聞いた。

「だが、お前のこれまでの不幸を考えると疑いたくなる気持ちも分かる。
 俺もその封筒を見るまでは信じてなかった。」

ザクザク、と野菜を切りながら率直な感想を述べる。

「だが、お前の不幸の事を考えると、どうせパスポートか何かが無くて結局行けないってのがオチだろ。」

「それが・・・・」

申し訳なさそうに言う上条の声を聞いた麻生は一旦作業を停止させ、リビングの方を見る。
上条の手には赤い合成革の表紙を持つ小さなノートみたいなものだ。
よく見ると、表紙には金文字で「日本国旅券」と箔押しされている。
それはパスポートだった。
麻生は信じられないような表情を浮かべる。

「ちなみにインデックスもパスポートを持っている。」

「・・・・・・・・」

それを聞いた麻生は唖然とする。
そして、携帯を取り出す。

「うん?誰かに電話するのか?」

「とりあえず、学園都市統括理事長に電話して全生徒の避難を申請する。
 もしかすると、今から巨大な隕石が降ってくる可能性があるからな。」

「待て待て待て!!!
 いくらここまで事が順調に進んでいるとはいってもそれは待て!!」

上条の全力の静止に麻生はとりあえず携帯をしまう。
一般生徒が統括理事長に電話などかけられる筈がないが、生憎この男、麻生恭介は普通の生徒ではない。
本当に電話をかけられそうで怖い。

「不気味だな、そこまで順調に進んでいると。
 突然、乗っている飛行機が墜落する可能性を考える必要があるぞ。」

「・・・・・・・・やべぇ、ちょっと想像してしまったじゃねぇか。」

「とうま、飛行機が墜落するの?」

インデックスの素朴な質問に上条は苦笑いするしかなかった。
今の今まで、そう昨日まで不幸な出来事しか出会っていない上条にとって、今回の旅行は何かの前兆ではないのかと勘繰ってしまう。

「まぁ冗談はここまでとして、そんなに気にすることはないだろう。
 それが何か不幸の前触れだとしても、北イタリアに行けることは確かだ。
 現地で何かあってもそれを解決して、観光を楽しめばいい。」

「何か、妙に優しくないか?」

「そうか?いつもと変わらないが。」

麻生の態度の変化に上条は首を少し傾げる。
上条の疑念は間違っていなかった。
麻生は上条が旅行に行けば、面倒な出来事に巻き込まれることは無くなるだろうと考えている。
なので、ここで上条が旅行を行くのを止めればそれはそれで面倒なのだ。
この休日くらいはゆっくりとしたいのだ。

「ほら、ご
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