臨海学校 前編
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と書かれた看板とその近くに刺さっている兎耳だった。
「響さん?」
「いや、なんでもない。行くとしようぜ」
「え? でもアレ気にならないの?」
シャルロットが声をかけるものの、
「ナンノコトカナ?」
片言になりつつも響はそのままそれを無視し、別館の方へと歩き出した。
……嫌な予感しかしねぇ。
最後にその兎耳を一瞥しながら、響はその場から去った。
「さて海に来たわけだが……どうする?」
砂浜に黒ビキニで仁王立ちしながら響は後ろの二人に問うた。
「やっぱり泳ぐのが無難じゃない? またはビーチバレーとか?」
「わたくしはその前にオイルを塗りたいのですが……」
響の後ろに居るのはセシリアと本音だった。他の二人、シャルロットとラウラはなにやらラウラがもたついているらしく時間がかかっているらしい。
「響さんはサンオイルを塗らないんですの?」
「めんどくさいだろ」
セシリアの提案に響は肩をすくめる。だがセシリアは、
「いけません!! 紫外線はお肌の天敵ですわ!! 響さんも女性であるならもっと――」
「お肌の天敵っていうならわざわざ海に来なくてもいいんじゃね? しかも下着と殆どかわらねーカッコでよ」
響は首を傾げつつセシリアに問う。セシリアは急に振られた質問に一瞬固まるとしどろもどろになりながら答え始めた。
「そ、それはその……海に服を着てはいるわけにも行きませんし……もう! 海のときはいいんですわ!!」
若干涙目になりつつセシリアは膨れた。響はそれに苦笑すると、セシリアの持っていたサンオイルをとると、
「冗談だっての、ほれそこのパラソル空いてるからオイル塗ってやるよ。背中とどかねぇだろ?」
「は、はい! お願いします!!」
「本音はどうする?」
「私はいいかなー。っとちょっと他の子のとこ行ってくるねー」
本音はこれまたゆっくりとした足取りでその場から消えた。
「……毎度毎度思うがあの速度で平気なのか?」
疑問に思いながらも響はサンオイルをセシリアの背中にボトルからそのまま垂らす。
「ひあっ!? ひ、響さん!? サンオイルはまず人肌に暖めてから塗るのが基本なのですが……」
「あん? 知るかそんなもん。塗っちまえば同じだろ、てーことでいくぞー」
響はセシリアの意見に聞く耳持たず、ガンガンとオイルを塗りたくっていく。
「んあっ!? 響さん私そこは自分で――!!」
「はぁ? 何いってんだどうせ塗るんだから今塗っちまったほうが楽だろ?」
「そういうことでは……ひんっ!? ですからわき腹はやめてください!!」
セシリアは何とか
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