星屑の覚醒
15 覚醒の予兆
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年に不安要素を抱いている自分が何処か許せなかった。
「ここは...?」
アイリスは目を覚ました。
先程の地獄とは一風変わった世界だった。
川のように緑と青のデータが流れる白を基調にした空間。
アイリスはゆっくりと体を起こした。
「目を覚ましたのかい?」
「あなたは...光くん?」
「え?僕を知ってるのかい?」
「いえ...人違い...みたい」
隣には1人の少年が座っていた。
彩斗だ。
アイリスには見覚えのある顔だった。
しかし彩斗はアイリスの知っている人間"本人"では無かった。
「私...デリートするはずだったのに...!?兄さんは!?」
「....」
アイリスは自分のメモリを遡りつつ、「自分がなぜ助かったのか?」、「カーネルがどうなったのか?」という当然の疑問に辿り着く。
だが彩斗には答えづらい質問だった。
首を横に振る。
アイリスも答えはなんとなく想像できていたものの、実際に答えを知ってみると悲しさを抑えられない。
涙が自然と流れてくる。
「カーネルは僕に君を託した。何があっても助けろって...。君はデリート寸前だったよ。でも...僕はプログラムを持ってる。どんなプログラムでも時間さえあれば修復できる...」
「....あなたはネットナビ?人間?」
アイリスは疑問を口にした。
自分の知っている彩斗はネットナビだ。
しかし目の前にいるのは電脳空間にいると言っても、どう考えても人間としか思えない格好だ。
「...多分、人間」
「そう」
「...ところで、君...僕と会ったことないかい?僕は君を見たことがある...夢で何度も僕の前に現れた」
「...いいえ、初めてのはず」
「そう、ゴメンね」
彩斗は疲れきったようにその場に横になった。
アイリスの修復で体力を使った。
「どうして私を助けてくれたの?兄さんに頼まれたからって...あの地獄なら誰だって見てみぬふりをするはず...」
「僕にも妹がいる。きっと同じような状況に置かれたら僕もカーネルと同じ事をするハズさ。だから...どうしても放っておけなかった。だから...これから...僕がカーネルの代わりになる。僕が君を守る」
「!?...ありがとう」
今までそんなことを言われたことはなかった。
ここまでこの程度の言葉が尊く思えたことなど無かった。
嬉しさで心が温まったような気分だった。
「ところで...どうしたの?何か悩んでいるような顔をしてる」
「...僕は何をやってもダメだった...友だちも守り切れず、人殺しにもなり切れず、おまけにナビたちも救えなかった....」
「....」
「友だちの復讐を...する
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