星屑の覚醒
15 覚醒の予兆
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けにはいかない上に相手にはっきりと声を伝えるための高音質さも要求される。
そのため多少高くともValkyrieは全社員に最新の高音質モデルを支給するのだ。
「どうだ?」
『成功です。デンサンシティ及び才葉シティのインターネットエリアを統括するサーバーをDOS攻撃でダウンさせました。ソースコードもほとんど改ざんし、復旧には最短で半月程の時間を要します』
「そうか。では次の段階に計画をシフトする」
『了解しました。例のブツはプライムタウンの廃倉庫に移送済みです』
通話の相手はValkyrieの技術班の連中だ。
詳しいこのサイバーテロの手法に関しては知らないし興味もない。
専門用語を言われても全く理解できない。
安食は正直、機械オンチだった。
言われた通りの手順である程度のことは出来る。
一応、学習力はある方だが、何かのきっかけがなければ専門書を開くことはない。
「スマートフォンって今でも根強い人気だよな。特に我々のようなビジネスマンからは」
『は?..ええ、インターネット回線よりも電話回線の方が音声はクリアですし、ビジネスの要件ははっきりとクライアントに要件を伝える必要もありますし、インターネット回線がダウンした場合でも使えますから』
なぜ自分が今、文明の最先端であるトランサーではなく、スマートフォンを使っているのかといえば、自分たちの計画の中でインターネットは使い物にならなくなるからだ。
100%インターネットに依存しているトランサーやPETは使用不可能になる。
そのくらいは理解している。
「今夜で終わらせたいじゃないの」
通話を切ると安食は呟く。
計画がうまくいけば、今夜で全てが片付く。
残るは廃倉庫にあるブツだ。
それが決め手となるのだ。
しかし安食の脳裏には不安が拭い切れなかった。
言うまでもなく、なぜ自分の部下が昨晩殺されたのかだ。
ディーラーとの抗争が原因の可能性もあるが疑問が残る。
なぜディーラーがその場に現れたのか。
自分たちの動きがマークされていたといえばそれまでだが、しっくりと来ない。
1つの可能性が浮かんでいた。
「あのガキか?」
自分たちの顧客を殺した少年。
正確には少年かどうかは暗くて分からなかった。
男のようで女のような中性的な顔は今でも覚えている。
暗闇に紛れ、40人近い体のいい連中から貧弱な連中までも殺したような人殺しだ。
全く可能性が無いわけではない。
「......頼むから間違っててくれよ」
安食はイライラしながら片手を胸ポケットに伸ばし、ゴクリと水なしで薬を飲む。
感情を抑えるのにはいつもこの薬を使っていた。
中毒性があるのは玉に瑕だがかなりの効果がある。
これによって心の平穏を取り戻す。
反面、ただ一人の少
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