第一章「P.T事件編」
第一話「二つの運命が交差する時。」
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インテリジェントデバイスなのかい…?」
シャルティエの声がどうやらこの女には聞こえる様だ。
ただインテリジェントデバイスという馴染みの無い単語が少し引っ掛かった。
あとで聞けばいいだろう…そう考えシャルティエを構える。
「月閃光!」
斬撃が三日月の軌跡を描くリオンの十八番の技の一つ。
放った扉に傷をつけることはできたが、破れない。
リオンはこう考えた
「(この程度なら簡単に破ることができる…)・・・シャル!」
「わかってますよ、坊っちゃん。」
そして剣と主は声を重ねる。
「「デモンズランス!!」」
悪魔の槍の名を冠する晶術
その一撃が扉に命中、そして
ズガァン!
粉砕した。
「な、なんて力...」
「ふん、脆い。女、何をぼおっとしている。来る気が無いのか?」
「!あ...ああ。」
女...アルフは少し、いやかなりこの少年に恐怖を覚えていた。
あの魔法...「デモンズランス」と言ったか、明らかにオーバーSクラスの力を持っていた。
それをインテリジェントデバイスらしき剣が有るとは言え、詠唱も唱えず、チャージもせずに放ち、全く疲労の欠片も見えない少年を。
・・・だけどそれは後回しだね。
そう思い直し、心優しき主である少女の元へ駆け寄った。
少し時を遡る...
パシーン パシーン
女の振るう鞭の音が部屋に反響する。
少女はただじっと痛みに耐えていた。
「フェイト...貴女は本当に使えない子ね...何でこれっぽっちしかジュエルシードを集めてこれなかったの?」
「母さん...ごめんなさい...」
十人に聞けば十人がこの状況を虐待と呼ぶことだろう。
少女の体には既に無数の痛々しい傷が刻まれていた。
そんな時、
「「デモンズランス!!」」
その声が聞こえると同時にその部屋に光が差した。
そして、
「フェイト!大丈夫かい!?」
「あ...アルフ...?」
弱々しい声で自分の使い魔の名前を呼んだ。
・・・アルフにはあの扉は破れない筈…
ぼんやりと考えていた。
「・・・紫の髪の女、アイツで間違い無いか、シャル。」
「そうですよ、坊っちゃん。」
黒髪で中性的な顔をした少年がカツカツと靴音をたてて入ってくるのを少女...フェイトは見た。
「・・・フン、随分と趣味と底意地の悪い女に助けられたものだな。」
「同感ですね、坊っちゃん。」
あの剣はデバイス...?
そして彼は何者...?
そんなことを考えながら少女は意識を手放していった・・・・・・・・・・
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