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儚き運命の罪と罰
第一章「P.T事件編」
第一話「二つの運命が交差する時。」
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剣となった今でもその経験は彼のうちに生きている。

軽い口を叩きながらでも決して周囲の警戒を彼らは怠っていなかった。
もし、今が好機とばかりにリオンに襲い掛かる様な魔物や曲者が居たとすれば。おそらく彼らは無慈悲にシャルティエで両断されるか貫かれるかあるいはシャルティエの晶術・・・この世界で言う魔法に相当するそれを身に受けて滅せられるのみであろう。
まだリオンはその存在を知らないが、それはこの世界の魔道士と呼ばれる相手であっても先程説明した彼等の例外ではないだろう。「エース」「ストライカー」、そう呼ばれる相手で無ければ障害物にすらならないかもしれない。ましてや勝つなど持っての他であるといえよう。

それ程に、リオン・マグナスは強者である。

「…どうやら近づいてきましたねぇ、坊ちゃん。」

「だな...?誰だアイツは。」

アイツ...リオンが見た先にはオレンジの髪をした女がさめざめと涙を流して膝をついていた。

「ううう...フェイトぉ...」

その向こうには重量感のある扉があった。

「何だ...?犬の耳?」

女はオレンジの髪のそのうえに犬の物と思しき耳をのっけていた。・・・否、あれは完全に

「バカな...生えている?」

生えていた。犬の耳が、心なしか尻尾のような物まで見える。

「いや、今は如何でも言いか...。」

そう割り切り、リオンは犬女?に話しかける。

「おい女。そこで何をやって居る。」

その声に女はハッとして身構える。

「だ...誰だいアンタ!」

泣いて充血した眼でリオンを睨みつける...が

パシーン

・・・・・・・・・・・・お・・さ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・あ・・・は・が・・り・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それを聞くとすぐに扉に向き直る。それをみたリオンは

「おい、その先で何が起きている。」

それを聞いたアルフはリオンのほうに向き直った

「あ...アンタはあの鬼ババァの仲間じゃないのかい!?」

「…鬼ババァ?そんな知り合いは僕にはいないな。」

守銭奴や爆弾魔の女ならいるが。そう心の中で付け足した。

「ならお願いだよぉ...フェイトを助けてやってくれよぉ...」

この扉の先に、フェイトとやらが居るのだろうか。

「ふん...あいにく誰かを助けてと見知らぬ女に言われて助ける程、僕はお人好しじゃない。」

「なっ!?」

「だが、その先に用がないわけではない...そこをどけ。」

そういって、シャルティエを抜き放つ。

「出番ですか?坊っちゃん。」

「なっ!?剣が喋った!?
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