第14話「京都―休憩」
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れるとありがたい」
さすがに、全て見られたと知った彼の顔は恥ずかしさから赤く染まっている。
「「はい」」
アスナも刹那も頷き、離れた場所で湯に浸かっているタケルの顔を見つめてヒソヒソと声を交わす。
(あの傷のこと……聞いても大丈夫かな?)
(ど、どうなんでしょうか。下手に触れてしまうのも……)
(そ、そうよね)
そんな彼女達に、どうにも居心地が悪くなってしまったタケルが仕方ないというか、当然というべきか。
「あ、あ〜、スマンが俺は先に風呂を出る。キミたちもほどほどにな。」
今度はしっかりと前を隠して、立ち上がった。
「え、あ、そうですか?」
何となく答えた刹那に、だがアスナが断固として言い放った。
「いえ、先輩。折角なんでいろいろと先輩のこと教えてくれないですか? ……ほら、私達先輩のこと何にも知らないですし」
――ね? とウインク。
確かに美少女の彼女がそれをやれば効果は絶大だろう。現に刹那はほんの少し見惚れてしまったのだから。
ただ、惜しむらくはタケルまでの距離があったことだった。湯気に妨げられてそれが彼の目に映ることはなかった。
「……俺のことを?」
「はい。ね、桜咲さん?」
「そう、ですね。私も是非聞いて見たいです」
「……そうか」
どこか嬉しそうに聞こえたのは気のせいではないかもしれない。
「それで、聞きたいこととは?」
「……え? ああ……その、桜咲さん!」
「は、私ですか!」
突如話を振られた刹那が「そんな唐突に!」と目で訴えるも、アスナは「♪〜♪〜〜」と明後日を向いている。今の内に話題でも考えるつもりなのだろう。
刹那は困った顔で、視線をさまよわせ、そして決意したのか、おずおずと話を切り出した。
「……先生、その傷は?」
「げっ」
――いきなりソレいっちゃう?
アスナの声が小さく響いた。それはおそらくタケルの耳にも届いたのだろう。一度、空を見上げ、彼女達に視線を送り、ため息をついて見せてからまた空を見上げた。
「……そうだな」
呟き、考えるように、顎に手をやり、じっくりと間をおく。その間、彼女達は固唾を呑んで見守っている。
「なんだろうな……俺にも少し、わからない」
「わからない?」
「最初は生きるため、そして殺しあうために。今は単にそれだけじゃない気がする……おかしくなってきている、のかも……しれない」
一言一言ゆっくりと、まるで自分に聞かせているように呟いた言葉は、彼女達を惑わせるには十分だった。
「……それって」
続きを聞こうと、先を促したアスナ達に「そういえば」とタケルは話を変えた。
「桜咲さんは近衛さんと照れずに付き合え
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