最近の日課
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優雅に泳いでる。
「そ、…ま、正確にはちょっと違うんだけどね。ほら、こっちおいで〜。」
「あぁ。」
軽く返事をし、湖のそばに座ったハンジの横に座る。そして、目の前にあった湖に少し興味がわき、のぞきこんだ。純度が高そうな綺麗な水で、日光をあびてキラキラしている。
「―――――――え。」
あるモノを見て、俺は内心驚いた。
「――――――墓…?」
何故か、湖の中に墓があった。四角い墓標が、水の波にのってゆらゆらゆれている。
「………。」
ヒュルルルルルと秋の風が頬をなぞった。
「そ。正真正銘のお墓だよ。」
「そうか。」
何故水の中にお墓を立てたし……!!
ハンジは、湖の前―――いや。お墓の前でパンパンッと手を合わした。俺もならって彼の真似をする。少しの間俺達は黙寿していたが、やがてハンジがバッと起き上がり「はい、終わり〜」と笑った。
「お疲れ〜。いや〜、ありがとね。一人じゃつまんないと思ってたから助かったよ。」
「まさか、そのために。」
「ごめんごめん。でも綺麗でしょ?ある意味取って置きの場所さ。」
「……そうか。」
利用された気がするが、まぁ別に悪い気分ではない。
「ここは、誰の墓だ?」
何となく気になって、聞いてみる。
「あぁ、言ってなかったっけ。――――――巨人の墓だよ。」
「え。」
「何故って顔してるね。うん、まぁやってる事の異常性くらいは知ってるさ。」
「そう、か。」
「でも、ある日気づいちゃったんだよ。巨人の手が軽い事に。」
「あ?」
「巨人って大きいのに、それに重さがとも合わないんだよ。そこから気になちゃってさ。変人扱いされるけど、巨人を別の方向から見ると、また別の何かが見えてくるかも知れない。そう思って彼等を観察してたら、いつしかお墓まで立てちゃった。」
笑いながらも、一本の芯の通った目をこちらに向けてくる。それを、俺は濁った目で見つめた。
「うーん、まだピンときてないようだ。そこで、ちょっと実験の話をしても良いかな。」
「あぁ。」
「良かった。それでね、まず最初に―――
――――――――で、こう思うわけだよ。これはいけるって。ん?返事がないケド大丈夫?」
コイツの研究の話はこれから絶対に聞かないと心に決めた。
「ん?何で苦い顔になってるのさ?眉間にしわよってるよ。」
「別に。」
出会った頃を思い出していたら、ハンジに笑いながら指摘される。俺は眉間を拳でぐりぐりやってほぐしながら、歩行速度を速めた。
「にしても、団長自ら呼び出すなんて珍しいね〜。何の用だろう?もぐもぐ。」
いつのまにか、たい焼きを買って食べているハンジが笑いながら話しかけて来た。じゃっかん右頬
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