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ヘタリア大帝国
TURN96 ランス=ハーンその一
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                    TURN96  ランス=ハーン
 満州に突如として敵が来た、このことには今現在の満州防衛艦隊司令長官も兼任する伊藤も驚きを隠せなかった。
「何っ、西からか」
「はい、来ました」
「西からです」
 艦隊の部下達が応える。
「シベリアからではなく」
「そちらからです」
「そういえば蒙古がいた」
 伊藤もここで彼等のことを思い出した。
「正式な名前は元だったな」
「はい、あの騎馬民族ですね」
「彼等ですね」
「最近これといって動きがないので忘れていた」
 これは枢軸側も連合側もである。
「彼等もいたのだ」
「しかし騎馬民族は彼等の生活で満足していた筈だが」
 柴神が言って来た。
「それで私も彼等のことは気にしていなかったが」
「事情が変わったのでしょうか」
 伊藤はいぶかしみながら柴神に言って来た。
「だからでしょうか」
「ううむ、わからないな」
「元の星域は何処も食料も資源も困っていません」
 ここで言って来たのは宇垣だった。
「ですから彼等はこの戦争とは完全に中立でした」
「そうだったのだ」
 伊藤もこう認識していた。
「食料や資源の問題がなければ攻めて来ることはないからな」
「騎馬民族の場合は」
「かつてのチンギス=ハーンの頃とは違う」
 この頃は世界帝国を築いた、今のソビエトの辺りを席巻したのだ。
「あの頃の元は野心があったがな」
「今は違っていた筈です」
 宇垣は柴神に答えた。
「全く以てわかりませぬ」
「しかしあれこれ言ってもはじまらぬ」 
 伊藤は話を切り上げにかかった。
「敵が来た、ならばだ」
「迎え撃つしかないぞ」
 ギガマクロも伊藤に続いて言う。
「これからな」
「そうだな、では総員出撃だ」
 柴神も続く。
「それで敵の数はどれだけだ」
「はっ、十四個艦隊です」
 参謀の一人が敬礼をして応える。
「それだけです」
「それに対してこちらは六個か」
 今言ったのは山本だ、彼もまた今は満州にいるのだ。
「やれやれ、主力があらかたソビエトとの戦いでダメージを受けたからな」
「今は日本で修理に向かわせている」
 柴神も言う。
「戻って来るのは来月だ」
「他の防衛艦隊は全てインド洋方面に回しましたからな」
 エイリスへの備えだ、数多い筈の枢軸艦隊は全てそうしたのだ、これを決めたのは今言っている宇垣自身だ。
「ここにいるのは我等だけですからな」
「六対十四数では不利だな」
 伊藤がこう結論付ける。
「戦術と艦隊の質でカバーしようかのう」
「伊藤さん」
 その伊藤に誰かが声をかけてきた。
「何かあったの?」
「おお、お嬢ちゃんか」
 パルプナだった、伊藤はそのパルプナに顔を向けて応えた。
「ど
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