暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
A's編 その想いを力に変えて
41話:過去の記憶と想い
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然?ひど〜い!


―――あ、お兄ちゃん久しぶり!いつぶりだろ?…半年?もうそんなになるんだ〜。あ〜、私も一人暮らししてみたいな〜。



―――お兄ちゃん!



「―――っ!くはっ……はぁ、はぁ、はぁ…」

そこでフラッシュバックが収まり、俺は止めてしまっていたのか、急いで息をする。

「…大丈夫か?」
「はぁ…はぁ……あぁ…だい、じょうぶだ……」

少し強気にそう言ってみたが、さすがに辛いので地面に座り込んでしまう。後ろに手をつけ、未だ灰色の空を見上げる。

「―――……ハハ、ハッハッハッハ…!」

そして俺は不本意にも笑い出す。自分の記憶が戻った事で、色々な事がわかった。

「…大丈夫そうに見えないのだが」
「頭が可笑しくなって笑ったんじゃねぇぞ」

そう言って俺は、背中を地面につけて、大の字になって完全に地面に根っころがる。

「アンタの話を聞いてて、昔の俺は暗い人間なんだろうなと思っていたが…案外そうでもなかった事がわかってよ」

学校に通って、友人関係を作って。確かに深くまでは踏み込ませていなかったかもしれないが、それでも気のいい奴らばかりだった。

「そしてなにより……俺がシスコンだった、ってのが一番笑えるわ…」

何てったって記憶と感情の四分の一が妹・真希についての事だったのだから、これではシスコンと呼ばれても仕方ないようなものだ。

「……でも、これが…これが『俺』だったんだな…」

そう考えると、笑いが止まらない。今の『俺』とは違う感情。違う表情。環境が違うのだから、当たり前かもしれないが、これが…生前の『俺』だったんだ。

「……お主、渡すものは三つある、と言った筈だが」
「あ、そうだったな」

俺はそれを聞いて、飛び起きる。“神”はそれを見届けてから、口を開く。

「二つ目だが、これはトリスに施したリミッターを外す事だ」
「?リミッターって…コンプリートだけじゃねぇの?」
「あれはディケイド本来の力だ。そこに新たに能力を加えるのだ」
「例えば?」

俺の質問に、そうさな、と呟き考え始める。

「………」
「………」

しかし、その答えは中々返って来ない。

「………」
「…………」
「……ま、自分で確認してくれ」
「おい」

ここまで間を置いてそれかよ。本当は知らねぇんじゃねぇの?

「何をいう!知っておるぞ!だが……そう!自分で確認した方がいいだろう?」
「…いや、どっちでもいいんだが」
「いいから受け取っておけ!」
「といってもトリスがいねぇんだけど…」

と言った瞬間、俺の右手から光が漏れる。何かと思い持ち上げてみると、光が収まりそこにはトリスがあった。

「ふふん、どうじゃ。“神”は
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