空白期編
デバイス
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あのあとオレたちは部屋に戻るのもなんとなく嫌だったので、通行人に屋上までの道のりを聞き、なんとか到着する。
「あーくそ、美愛がまっすぐっつってんのに右往左往するせいで無駄な時間使った」
「全くだよー。もう、一体どこの方向音痴の緑色っぽいショートカットの三刀流剣士だよって話だよねー」
「アリシア、それ危険。あと二人して酷い」
美愛の話はどうでもいいとして、オレたちは屋上の扉を開く。
そこには真っ黒なバリアジャケットに身を包んだ三人の子供がいた。
「あ、案外来るの早かったね」
三人の中で最も背の低い、声からして男の子が振り向きながら言った。
「でも、残念。タイムオーバーだよ」
男の子が言うと同時に、ほかの二人が屋上のフェンスから飛び降りた。
地球だったら事件だが、ここは魔法の存在する世界、ミッドチルダ。
三人ともバリアジャケットを着ていたようだし、魔導師なのだろう。
「さて、キミたちはヴァレスティアの関係者で間違いないよね?」
「・・・ああ。苗字は違うが、ヴァレスティアの血を受け継いでいる」
「なら、ドクターからの伝言を教えるね。「キミたちの母国、日本の時間に合わせたのだが、間に合わなかったのだろう。しかし安心していい。今からそう遠くない未来、私たちとキミたちは再び出会うだろう。その時まで春香・ヴァレスティアのことは諦めたまえ」だって。じゃあ、ボクはしっかりと伝えたからね」
男の子はそう言って二人と同じようにフェンスから飛び降りようとする。
「待てッ!」
「どうかしたのかな?しっかりと伝言は伝えたはずだけど?」
「お前らは、誰だ。どうして犯罪者に手を貸している!」
「・・・ボクたちが誰かは、ドクターに止められているから、まだ言えない。でも、後者には答えてあげる。ドクターに手を貸している理由。それはあの人がボクたちの恩人だから。それだけだよ」
男の子はそういうなり、フェンスを飛び降りた。
三人が屋上からいなくいなったあと、オレたちも屋上から社長室へと戻っていた。
「・・・そう、遅かったのね」
ヒントを持っている三人を逃してしまったことを言うと、カオリさんは表情を曇らせる。
会話なんかせずにバインドで抑えていれば。
美愛をいじらず、本気で屋上へ向かっていたら。
オレはそんなことばかり考えてしまう。
「ごめんね、カオリ・・・春香ちゃんを、助けられなかった」
「いえ、あなたたちはなにも悪くないわ・・・。悪いのは、あの犯罪者よ」
そう言ってカオリさんは机の引き出しからなにかを取り出した。
「? カオリ、それは・・・」
「前にイオリが話してた子供・・・美愛ちゃんって、あなたよね?あなたに、預けたいものがあるわ」
カオリさんは美愛にそのな
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