空白期編
ノリが探偵
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がってるのかな?」
「ああ、そこのコードはそっちじゃなくて、その手前のやつに・・・そう、そこ・・・って、あ。美愛、少し待って。通信が来てる」
すると、デバイスの構造が書かれているモニターの上に、誰かの顔が現れる。
「あら、カオリじゃない。どうかしたの?」
『・・・けて。助けて、イオリ・・・!春香が、春香が攫われた・・・ッ!』
「攫われた・・・?カオリ、あなた今、どこにいるの?」
カオリと呼ばれた女性は泣きそうな顔をしながらも、母さんの質問に答える。
『ヴァレスティア本社・・・お願いイオリ、春香を助けて・・・』
「本社ね?わかった、今すぐ行くから待ってて。大丈夫、絶対に助けてみせるわ」
そして通信は切れた。
「あら、陽龍とアリシアもいたのね。お母さんはこれからカオリ・・・妹のいる場所へ行くわ。あなたたちは・・・」
「行く」
「わよねぇ。いいわ。でも、これは遊びじゃないってことをしっかりと覚えておいて。じゃあ唯彦さんを呼んでくるから、準備をしていらっしゃい」
母さんはそう言ってリビングを出ていった。
そしてオレたちも何も言わず、部屋に戻って出かける支度をした。
「さ、ここが私の実家、ヴァレスティア家が営んでいる会社の本社よ」
転移した先で見たのは、何十階もある、海鳴ではなかなか見られないものだった。
母さんと父さんはそんなもの見慣れているのか、驚きもせずに中に入っていく。
そしてエレベータに入ろうとしたとき、警備員らしき人が話しかけてくる。
「すみませんが、ここから先は関係者以外は立ち入り禁止となっています」
「イオリ・ヴァレスティアよ。あなたは仕事に戻りなさい」
「し、失礼致しました!」
母さんは警備員相手にも堂々と接し、エレベーターを動かした。
オレの見間違いじゃなかったら、あの警備員の人、デバイス片手に持ってたと思うんだけど・・・。
「ほら、行くわよ」
・・・気づかなかったことにしよう。
「カオリ、いる?」
母さんは社長室と思われる豪華な扉を開け、言う。
「イオリ・・・?ええ、ここにいるわ」
すると中から弱々しい声が聞こえてきた。
部屋の中に居るのは通信の時に見たカオリさんだけだった。
「あら、そこにいる子供たちは・・・?」
「私の子供達よ。三人とも、挨拶して」
母さんに言われ、オレたちは挨拶を始める。
「浅賀陽龍です」
「双子の妹、美愛です」
「アリシアです!」
カオリさんはアリシアが名乗ったとき、少し不思議そうな顔をした。
「アリシア・・・?地球の、特に日本が好きなイオリの子が・・・?」
「わたしは養子だからだよ!・・・です!」
アリシアの敬語が敬語じゃなくなっていた。
テ
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