第77話 少年達は指針を見つけるようです
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ほら、この子だ。」
そう言ってマスターが指差したのは・・・僕達が探していた人とは違ったけれど、一縷の希望・・・いや、
全てを解決出来るかも知れない人だった。
「せ、刹那さん!?」
「せつなと読むのか。どうも旧世界の文字はね……。と、この子が一昨日だったかな、ここに来たんだ。
髪を下ろしていたけれど、珍しい黒髪の人間だったから間違いないよ。」
「それで、この姉ちゃんどこ行ったんや!?」
「『力試しが出来る場所は無いか』って聞いて来てね。グラニクスで近く拳闘士の大会が開かれるから、
それに出てはと薦めたんだ。二人一組の大会だから、相方はどうするのかね……。
ここから暫く南南東に1〜200キロ行った所にある大きな貿易都市だ。ここよりも治安が悪いから、行くなら
気をつけてね。」
マスターさんの推挙に、漸く活路を見出せた僕達。刹那さんが居るという事は、その周囲に必ず誰かが
ついている。首尾良く行けば、地球に帰る方法だけは分かる!
「マスター、ありがとう!皆さん、急いで行きましょう!」
「おお!ついでや、その大会もサクッと優勝したろうや!」
「そっちは目的に入ってないから!どうしても出たいなら、皆さんを見つけてからだよ?」
小太郎君は暫く文句を言ってたけれど、渋々頷いてくれた。・・・そこは直ぐに頷いて欲しかったけれど。
目指す目標は貿易都市グラニクス。そして目的は刹那さんの発見。皆さん、もう少しだけ待っててください!
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