一部 浮遊城アインクラッド編
ヒナとサキとソウスケ
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sideヒナ
負けません!…………か、
「…いいわよ! その勝負、受けて立つわ!」
負ける気なんてないけど♪
「後悔しないで下さいね!」
目の前の可愛らしい少女がじっと見てくる。
「何の勝負だ?」
まったく朴念仁には困ったもんだわ。
「アンタは黙ってなさい!」
「あなたは黙ってて!!」
おっ! ハモった。
「………酷くね?」
「アンタは少し反省しなさい」
「……何を?」
ソウスケは不満があるらしく、口を尖らせる。
「今までの人生全てを」
「剣の道に生きるってのが悪いってかのか?」
自覚なし、か
「アンタはもう少し他の事にも興味示しなさい!」
「………剣の道に生きる、か……何かカッコイイなぁ」
グッ、この女ー!!
「つっても物心ついたときにゃもう竹刀ぶん回してたしな、ウチはそういう一族だ」
「アンタん家は異常よ! おば様に昔のアルバム見せてもらったけど、アンタ赤ん坊の頃から竹刀持たされてたわよ」
「へぇ〜! そんなに小さい頃からやってたんだ!」
サキは興味津々って感じだ。
あたしはふと、あることに気づく。
「アンタ達二人共得物が刀なのね?」
「俺はコイツしかないからな」
ソウスケは刀を構えながら言った。
「私は技のキレ、ですかね? 細剣っていう手もあるんですけど、友達………親友には勝てそうも無いので」
サキはどこか寂しそうな顔をした。
「ふーん、あとサキちゃんって言ったっけ? もっと気楽に接してくれてオーケーだよ!」
あたしはニコッと微笑む。
「はい、努力……するね……!」
サキも微笑む。
「あのヒナが………女子に気楽にしろだと!? そういや、コイツが他人とこんなに会話するなんて…………」
ソウスケのヤツ、青ざめてるし………
「失礼ね! あたしはライバルとは対等でいたいの!!」
「だから何のライバルだよ………」
ソウスケはため息をつく。
「ソウスケ君は知らなくていいの!」
「サキまで…………」
「それより! 三人でお昼ごはん食べない?…………どうかな、ひーちゃん?」
「ひーちゃんってあたし!?」
「駄目………だった?」
サキは不安そうに見つめてくる。
ぐっ! この可愛さは罪だわ………まさに小動物!
「べ、別に嫌じゃないわよ」
「んじゃ、行くとしようぜ、ひーちゃん?」
ソウスケは面白がっているのだろう、もう歩き出していて顔は見えないが、肩が震えている。
「あ…アンタはそれ禁止!!…………行こっか、サキ!」
あたしはサキに手を差し伸べる。
「うん………!」
あたしとサキは手を繋ぎながらソウスケを追いかけた。
***************
─時は迫る。
─疾風が血を浴び、紅き剣聖となる。
─絶望が始まる。
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