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鳳苗演義
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ことが出来る仙人は限られているから他の誰かがやったとも思えない。しかし・・・それでは彼女は結局何者なのだろうか。
通常魂魄は一人につき一つ。伏羲や女禍のように魂魄を分裂させれば話は別だが、全く同質の魂魄の存在が自然に生まれると言うのは双子でもあり得ない。なにより伏羲が女禍の気配に気付いたのはつい最近の事だ。明らかの彼女は自然に生まれた人間ではないことになる。

「おぬし、名前は何と言う?わしは・・・伏羲という」
「その年で一人称が儂ってどうなのかな・・・まぁいいや!私の名前は(おおとり)(なえ)だよ!」
「ほう、良い名前じゃな」

鳳苗・・・その名前を聞いて太公望は顔には出さず内心で唸った。
史実では伏羲と女禍は鳳という姓の始祖とされている。そして苗は伏羲は女?を信仰していたとされる(ミャオ)族を連想させた。偶然と言えば偶然だが、それが二つ重なるだろうか?どうにも分からない。さり気に伏羲という名を出してみたがそれにも全く反応を示さなかった辺り、本当に女禍としての記憶を失っているのだろうか。
それともあるいは本当に天文学的な確率で偶然魂魄が女禍と一致したとでも?確かに仙人骨や魂魄は後天的に強化されることもあるにはあるが・・・

「ありがと!そういうお兄さんは変わった名前だね?」
「わしは中国の生まれだからのう」
「ふーん。ちなみにこっちの・・・名前はぽんずって言うんだけど・・・この子はカナダ出身よ」
「まーお」

子供ほどの大きさがある猫が返事を返すように鳴く。人懐っこいようで太公望が触っても嫌がりはしなかった。しかし・・・ぽんずと言う名前をあえてスルーした太公望は内心首を傾げた。

(妙だのう・・・こやつ妖精化しかけておるぞ?)

妖精化とは人ならざる者が千年以上月の光を浴びた結果魔性を帯び、人のように知恵を持った存在になる事である。しかし、普通の生物が千年も生きる事は出来ない。だから妖精化するのは長い時を生きられる妖怪や特定の形をした道具などが基本である。唯の大山猫であるぽんずが妖精になるのは逆立ちしたってできっこない。

・・・まぁ、金剛島や妲己の生物改造技術ならば不可能ではない。そしてその技術の多くは妲己が女禍から授かった技術が多くを占めている。苗を名乗る少女が女禍ならばそれ位は出来ないでもない。
が、だとしたら彼女は女禍としての力と知識を持っていることになる。彼女が何故ぽんずを妖精化させようとしているのか、何故女禍という存在自体を知らないような言動を取るのかが分からなくなる。或いは思い出としての記憶を無くし技術だけを持っている可能性もあるが・・・

(結局どう考えても「彼女は結局何者か」という疑問に撒き戻ってしまうのう・・・致し方ない、今は王天君に期待するしかなさそうだ・・・)

「それでお
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