第二章 三話 後ろに向かって前進 後編
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コーンの後方にある二つのブースターが取り払われてそこにグランティノのようなレールカタパルトが搭載されていた。
「……確かに、隕石の間を縫っての奇襲は出来なくなるな。これは。……よし、もう一つのプランのデータも頼む」
バークがコンソールパネルを操作し、さらに別の画像データを表示する。
今度は目立った外見上の変化は見られないが、一部艦の底部に発艦用の出撃口なのだろう、艦載機二機分の穴が空いていた。
「こちらは機動力は保たれています。しかし、問題点だけなら前者よりも多いと言えます。まずは艦載機の搭載容量ですが、いくら見直しをしたとしても流石にスペースは限られているため小型の物でも最大二十機が限界でしょう。発艦速度も遅くなりますね。見ての通り発艦用の出撃口は一つでしかも大きさは二機分しかありません。全機出撃にはどんなに短く見積もっても三分はかかります。これはドックファイトにおいて絶望的な差になるでしょう。」
「……折衷案、考えるぞ。なんとか両方の利点を取りたい」
「了解。全力を尽くしましょう。」
「いや、バークお前には他に頼みたいことがある。」
「はい?」
「艦載機と言えば……人型兵器だ。つまりは……浪漫だ。後はわかるな?」
バークの目に曰く形容し難い光が広がった。
そして、白野の手をがっしりと握る。
「艦長……あなたに雇われて本当に良かった」
「ああ。共に浪漫道を極めようじゃないか。」
「艦長!」
浪漫を解した漢達に最早言葉は不要。二人の漢は共にそれぞれの求める浪漫のためにコンソールパネルに向き直ると凄まじい勢いでキータッチを始めた。
二人のキータッチはそれぞれが最早芸術と言えるほどの冴えをもってして誰もが子供の頃に一度は憧れたであろう【カッコイイロボット】と【凄い戦艦】を紡ぎ出していく。
そしに、それから約二時間後、漢達の浪漫の結晶はデータプレートという形をとってこの世に顕現することになるのであった。
続く
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