第二章 三話 後ろに向かって前進 後編
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ゲイケット?」
「良好だ。宇宙港のシステムは完全に掌握したようだな。」
「ああ。これで好き勝手できる。」
「……艦長、悪い顔してるな。」
「ふん。気にするな。これでユニコーンはさらに強くなる。目標は……そうだな、ヴァランタインを越えるか?」
「あんたならできそうで逆に怖い。」
「ひどい言われようだ。……ああ、それとギリアスにも余った資材を回してやってくれ。改造に使うなり売るなり好きにしろと言っておいてくれ。」
「了解だ。それにしてもあの若いのがここまで強くなるとは……」
「ギリアスの本質はその成長速度だ。育てれば何処までも強くなる……そういうタイプさ。」
「ほぅ?では艦長は?」
「俺は良くも悪くも早熟型だろうな。これより先に行くには苦労するかもしれん。」
「おいおい、さっきの威勢はどうしたんだ?あんたはヴァランタインを超えるつもりなんだろう?」
「ふん、違いない。ここで止まるわけにはいかんな。そうとも。俺はまだ若い。伸び代はあるはずだ……そのはずだ」
最後は若干自分に言い聞かせるような口調であった。
「でだ。捕虜のことだが、ワレンプス大佐がグランティノの倉庫にぶち込んで連れていくそうだ。随伴艦の二人も足りない分を自艦の倉庫で賄うためにワレンプス大佐とこの星を離れる。」
「そうか。で、ネージリンスが俺たちに払う報酬は?」
「聞いて驚け、クレジットの他にもこいつをデータ転送して来た。」
ゲイケットが中央制御室のモニターにアクセスしてあるデータを表示する。
「……ネージリンス、セグェングラスチ製内装モジュール一式か。なかなか豪華なラインナップだな。食堂に……主計局、シップショップまであるとは、痛みいる。」
ネージリンス政府はここでの流通をそれほど重視していたということだろう。なんにせよ、有難い。
「艦長……」
「ん、では始めよう。確かデータはあったな?」
「あります。とりあえず二パターン。外付けタイプで容量増加を狙った物と内装を大幅に見直して余ったスペースにカタパルトと格納庫を統合して設置するタイプ……」
整備のことになると普段よりもはるかに饒舌になるバークの説明はまだまだ続く。
「前者は容量、発艦速度ともに後者に勝りますが外付けなので機動力に問題が出ます。その分の装甲強化が必須となるでしょうが、そうすると重くなってさらに機動力の低下が深刻化します。機動力を重視する艦長には向かない改造かもしれません。」
「ふむ……そのプランのグラフィックデータはあるか?」
「これです。」
バークが中央制御室のコンソールパネルにデータプレートを挿入して記憶されていたデータをモニターに表示する。
外見上の変化が著しく、ユニ
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