第二章 三話 後ろに向かって前進 後編
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打ちのめし叩き潰す。
「撃沈確認!」
「ぼやぼやすんな!すぐ離脱だ!」
艦隊戦の基本。撃ったらすぐ離脱。反撃を待ってやることなどない。ギリアスは白野にそれを徹底的に叩き込まれ、それを実践能力もあった。
一度ならず反撃を受けるも、その時にすでに射程範囲外に逃げていたからレーダーの索敵補助がない砲撃など当たろうはずもない。
追い、追われのシーソーゲーム。そして、遂に決着はついた。
「しずめぇぇぇぇぇ!」
ギリアスの気合と共に放たれた全砲斉射が四隻まとめて撃破し、残存の七隻は這々の体で逃げ出す。
ギリアスはそれを追わない。
追撃の際には罠に注意するべしとのことを、白野に言われていたからであるが、彼の性格なら追撃を仕掛けたいであろう。
しかし、彼は抑えた。有り余る若さを抑える精神力を備えつつあるのだ。
「ふぅ……よし、あのおっさんは生きてるか?」
「確認しました。空母グランティノ、健在です。」
「うっし。なら、とっととおっさん捕まえて合流するぜ。通信繋いでくれ」
「了解。グランティノ、聞こえるか?こちらバウンゼィ。艦長に通信を繋ぐ」
モニターに映ったワレンプス大佐は若干凹んでいるようだった。無理もない。部下を失ったのだ。凹まない方がおかしい。
「どうしたおっさん?元気ねえぜ?生き残ったんだからもっとシャンとしろよ」
「……ああ。そうだな……ではギリアス君、ユニコーンに合流するとしよう。ことここに至っては既に奇襲作戦の優位性は失われた。ならば、現有の戦力をすべて集中させて敵をまとめて討つ他ない」
「あ〜、いや。もうおっぱじめてると思うが……」
「む……」
「とにかく急いで合流するぜ。着く頃には倒す敵がいなくなってるかもしれねえが……」
*
惑星シャンプール上空
はたして、ギリアスの懸念は現実になりつつあった。
ギリアスがワレンプス大佐の救援に向かった直後、ユニコーンと随伴艦二隻は惑星シャンプールに到達した。
この時点で既に奇襲作戦の優位性が失われていることは白野も重々承知している。
なので、面倒ごとは抜きにしてユニコーンの持つ圧倒的性能でスカーバレル海賊団を壊滅させる挙に打って出た。
「敵艦隊補足。やはり警戒しています。」
「この後に及んで楽ができるとは思っていないさ。さぁ、やってしまおうか。宇宙の大掃除だ。」
「了解!ルートン、聞こえたな?構わんから本気でやれ」
「ああ。さぁて……腕が鳴るな!」
熟練砲撃手フー・ルートンによって導かれたユニコーンの圧倒的な火力。そして随伴艦もそこそこの速力を誇り、ユニコーンの撃ち漏らしを的確に処理していく。
「副砲、連射三連。手を緩めるな。このまま殲滅する。」
戦況はユ
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