第二章 三話 後ろに向かって前進 後編
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殊なレーダーが搭載されてあったので喜んでデータ共有を行っているのだ。
「ほお!バウンゼィのレーダーは一体どうなっている?どうかしたら大マゼラン製の物よりも上質だな」
配置柄レーダーをよく扱うゲイケットもバウンゼィのレーダーの質には感嘆の声を上げる。
恐らくはヤッハバッハ製の物であろうと白野は考えている。
その時、先行しているバウンゼィからギリアスの通信が入る。
白野がそれに応答すると、画面に写されたギリアスの顔は切迫していた。
「なんだ、どうしたギリアス?」
「やばべぇぞ!ワレンプスのおっさんの艦隊が奇襲を受けた!いま通信で救援を求めてきたところだ!」
「なに!?」
まさかこれに気がつかれていた?その考えを白野は否定する。アレはワレンプス大佐がすぐに考えつて実行に移した作戦。当然知らせられた人物も限られている。
……とすれば、裏切りがあったか本当に運悪く遭遇戦になったのかどちらかだ。
「ゲイケット!」
「今やってる……ああ、間違いない。こちらにも救援信号が来ている。」
「チッ!仕方ない、ギリアス!お前が救援に向かえ。ここで一番足が早い艦はバウンゼィだ」
「オーライ!」
ギリアスは通信をきると、ユニコーンのモニターに写る前方のバウンゼィが船体に取り付けた軌道修正用のブースターでターンするとワレンプス大佐の艦隊の反応がある宙域に向かって行った。
「さて、これで奇襲はできなくなった。こっちにもいずれスカーバレルの艦船が来るだろう。それは面白くない……ならばこちらから一気に攻めるのが吉、か。」
「賛成。手をこまねくよりも余程いい」
「ようし、方針は決まりだ。後続の二隻、【サウザーン】と【バクゥ】の艦長!」
「は、はいっ!」
「はい」
「作戦は奇襲から強襲に変更だ。派手に行こう」
新米達の返事を待たずに白野はユニコーンのエンジンを全開にするように鋭く指示を飛ばす。
それに呼応し、彼の愛艦は後背部のブースターをふかせて凄まじい加速を見せる。
後続の二隻は戦艦であるユニコーンよりも機動力は上であるのに、ついていくのに精一杯であった。
*
惑星シャンプール付近
ワレンプス大佐は焦っていた。まさか、こんなところにまで敵が出て来ているとは想像していなかったのである。
アステロイドが近い事も災いした。
敵艦はワレンプス大佐の艦隊をレーダーてま捉えたが、大佐の方は捉えられておらず、それが戦局を決した。
「くそっ!前衛艦がやられたのか……」
大佐の乗艦は空母グランティノ。元々艦船同士で撃ち合うための物では無い。それも災いした。
護衛のための前衛艦がやられた空母など、撃沈されるのを待つしか無い哀れな的なのだ。
「大佐!この
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