第32話 「燃える漢の赤いやつ」
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、ぐったりとなされています。
先ほどまでのブラウンシュヴァイク公と、リッテンハイム候の騒動には、私も疲れてしまいました。専用機ぐらい自分で選ぶべきです。
「殿下、大丈夫?」
マルガレータ・フォン・ヘルクスハイマー様が、ぐったりしてる宰相閣下の頭を撫でた。
こんな幼い少女に慰められるほど、閣下のご様子は疲れ切っているように見えるのでしょう。
おかわいそうな閣下。
ただでさえ、お忙しいと言うのにっ。
瑣末な問題など、持ち込んでもらいたくない。
痛切にそう思います。
「殿下、コーヒーをお持ちしました。そして疲れたときは甘いものですよ」
そう言ってアンネローゼ様が、チョコレートケーキを持ってきました。
おお、これはっ。
プリンツレゲンテントルテ。
はるか大昔にバイエルンの摂政王子、プリンツ・ルイトボルトのために作り出されたというトルテ。一見華やかなのですが、意外とヘルシーな一品。
中々やりますね。
「ま、それほどでも〜」
こういうところがなければ、アンネローゼ様は理想の寵姫なのですが……。
肉食系の性格が、全てを台無しにしています。
前に一度、アンネローゼ様とラインハルト様のお父上から、連絡が来た事があるのですよ。
開口一番。いきなり、アンネローゼは暴れてないかと、きました。
いったい家でどんな感じだったんですか?
あのせっぱ詰まったような物言いは、こちらも心配になるほどでした。
そこでアレクレア様とアンネローゼ様の関係をお話いたしますと……。
「ああ、もうだめだー」
絶望に青ざめた表情を浮かべ、絶叫されました。
その途端、通信が切れてしまいましたが、もしかして今頃、自殺しているんじゃないでしょうね?
いやですよ、そんなの。
一度調べさせておきましょう。
その方が良いです。きっと。ですが……。
「三角関係の物理的解決は、よそでやってくれ。ま、我が家じゃないからどうでもいいが……。育て方を間違えた。二人とも」
とはどういうことでしょうか?
ハッ、まさかラインハルトくんも、ですか。
似た者姉弟なのでしょうかぁ〜っ!!
なんと恐ろしい。
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