暁 〜小説投稿サイト〜
皇太子殿下はご機嫌ななめ
第32話 「燃える漢の赤いやつ」
[5/5]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
、ぐったりとなされています。
 先ほどまでのブラウンシュヴァイク公と、リッテンハイム候の騒動には、私も疲れてしまいました。専用機ぐらい自分で選ぶべきです。

「殿下、大丈夫?」

 マルガレータ・フォン・ヘルクスハイマー様が、ぐったりしてる宰相閣下の頭を撫でた。
 こんな幼い少女に慰められるほど、閣下のご様子は疲れ切っているように見えるのでしょう。
 おかわいそうな閣下。
 ただでさえ、お忙しいと言うのにっ。
 瑣末な問題など、持ち込んでもらいたくない。
 痛切にそう思います。

「殿下、コーヒーをお持ちしました。そして疲れたときは甘いものですよ」

 そう言ってアンネローゼ様が、チョコレートケーキを持ってきました。
 おお、これはっ。
 プリンツレゲンテントルテ。
 はるか大昔にバイエルンの摂政王子、プリンツ・ルイトボルトのために作り出されたというトルテ。一見華やかなのですが、意外とヘルシーな一品。
 中々やりますね。

「ま、それほどでも〜」

 こういうところがなければ、アンネローゼ様は理想の寵姫なのですが……。
 肉食系の性格が、全てを台無しにしています。
 前に一度、アンネローゼ様とラインハルト様のお父上から、連絡が来た事があるのですよ。
 開口一番。いきなり、アンネローゼは暴れてないかと、きました。
 いったい家でどんな感じだったんですか?
 あのせっぱ詰まったような物言いは、こちらも心配になるほどでした。
 そこでアレクレア様とアンネローゼ様の関係をお話いたしますと……。

「ああ、もうだめだー」

 絶望に青ざめた表情を浮かべ、絶叫されました。
 その途端、通信が切れてしまいましたが、もしかして今頃、自殺しているんじゃないでしょうね?
 いやですよ、そんなの。
 一度調べさせておきましょう。
 その方が良いです。きっと。ですが……。

「三角関係の物理的解決は、よそでやってくれ。ま、我が家じゃないからどうでもいいが……。育て方を間違えた。二人とも」

 とはどういうことでしょうか?
 ハッ、まさかラインハルトくんも、ですか。
 似た者姉弟なのでしょうかぁ〜っ!!
 なんと恐ろしい。
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ