追想〜飛び立つ思い〜
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「なに?恋愛相談?任せて!」
私の先輩・・・・・・・リリーナさんは、到底任せられない表情で相談に乗ってくれた。表情から私の悩みを面白がっていることが手に取るように分かる・・・・・・と言うか隠そうともしていない。本気で面白がっている。(大変心外だ。そもそもリリーナさんだって彼氏さんがいるのに、悩みなど無いのだろうか。)
「悩みなんて無いわよ〜。」
「仮想世界で心を読まれたっ!?」
待て私。こんなことでいちいち驚いてると会話が進まない。
「分かるわよ。レコン君の事よね?」
すっ・・・・・・と、緑茶のような色をしたお茶(残念ながら種類はわからない。こう言う女の子らしい所が一切無いことも私の悩みの一つである)を差し出してくる。ティーカップのお茶に映る私の顔には、明らかな当惑の色が浮かんでいた。
「・・・・・・私、こんなに顔に出てたんだ・・・・・・何考えてるかなんて、見え見えじゃない・・・・・・」
「飲んで。少し落ち着くと思うわ。」
こくり。と一口緑色の液体を口に含む。思ったよりも甘く、とても落ち着く味だった。
「それでリーファちゃん、レコン君の事、どう思っているのかしら?」
リリーナさんの質問にもう一度視線をティーカップに落とし、今までの彼を思い出す。始めた当初の頼り無さそうなレコン。ガーディアンの群れに風穴を空けるため、決死の覚悟で自爆魔法を使用したレコン。今までの経験で、一人の立派な青年に成長したレコン。一番良く思い出すのは、最近のレコン。今思えば、最近の彼はいつも私の前に立っていた。私が握る長刀より遥かに短く貧弱な短刀一つで、私を守ってくれた。
「そうだ・・・・・・私、レコンに甘えてたんだ・・・・・・」
レコンが自分を守ってくれること。レコンがいてくれることが、当たり前だと勘違いしていた。私が、レコンに傷付く事を強要していたのだ。
「私・・・・・・最低だ・・・・・・」
ぽたり。と波紋が広がる。この世界では感情の抑制が出来ない。後悔や罪悪感。自己嫌悪の感情が押し寄せ、とめどなく涙が溢れ出る。その間、リリーナさんはずっと背中をさすってくれた。
「リーファちゃん。することは決まったみたいね。」
ずいぶん時間が経ってしまった。そろそろレコンもログインしている頃だろう。すぐに彼の元へ行かなければならない。言わないといけないことがあるのだから。リリーナさんにお礼を言って、私は翅を広げた。
「二人とも、そこまで気にすることは無かったんじゃないの?心配性なお兄さん達ね。嫌われるわよ、キリト君とクラディール?」
振り返りもせず、真後ろの空間に語りかける。その声は部屋の中で反響するだけ・・・・・・では無かった。
「おいおい・・・・・・いつから気付いてたんだよリリ
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