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オリ主達の禁則事項
花の勇者と黒子の助言者
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事なことだと思うから…。

「は、ハア…」

 花は秋晴の言う事が理解できなかったらしい。
 秋晴も理解してほしくて話たったわけではないのだから、これでいいのだ。

「御祖母さんの代わりに受け取ってくれないかな?ありがとうの言葉を…」
「よ、よく分かりませんが。ど、どう致しましてッス」

 その時…周囲の時間が止まった。
 少なくとも、秋晴にはそう感じられた。

「…ッス?」
「あ、曽祖母の口癖だったんです。気を抜くと時々出ちゃって…」

 真っ赤になって恥ずかしがる彼女をみながら、秋晴は確信した。
 大母神は間違いなくこれを知っていたのだ。
 その上で今日この時に秋晴がここに来るように仕組んだに違いない。
 確かに秋晴はおおいに癒されている。
 大母神主催、秋晴のサプライズ込みバカンスは大成功だ。

「よ、よく分かりませんが、嬉しそうで良かったッス」

 彼女には悪いとは思うが……もはや秋晴自身にも笑いが止められない。
 花の勇者の伝説は、その中に出てくるこっそり勇者に助言をしたらしい“隠者”の事も含めて…きっと長くこの世界で語り継がれるに違いない。
 
 誰かを救い…誰かに救われる。
 きっとそれが絆と言う物なのだろうと…そんなふうに秋晴は思うのだ。
 ゆっくりと…ゆっくりと彼女の生み出した優しさ(花)がこの世界に広がる様にと…そう願う。

―――見てくれたッスか、秋晴さん?私頑張ったッスよ!!

 緑と色取り取りな花の咲く草原を吹く風の中に…笑う彼女の声を聞いた気がする。

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