花の勇者と黒子の助言者
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のでおそらく秋晴が置いた物だろう。
何だろうかと“それ”を手に取り、よく見た所ではっとする。
「これは…秋晴さん…」
これを置いたのは秋晴だと、来類咲は確信した。
同時に、秋晴が行ってしまったのだと言う事も…。
「秋晴さん…私頑張るッス」
それ以降…来類咲と秋晴が合う事は終生なかった。
―――――――――――――――――――
「…と言う訳で、来類咲はあの世界の中で普通に生きていけるでしょう。第弐条に抵触する事もなく、馴染んでいくだろうと判断しました。能力にしても花を生み出す能力では世界の崩壊どころか衰退にもつながらないでしょう」
『フフフ…』
「…何ですか?」
今回の一件の報告をする秋晴を見る大母神は非常に上機嫌だ。
何かいい事でもあったのだろうか?
「あの…何か言いたい事があるなら…ひどく気になりますし…」
『そうね…秋晴』
大母神は名前を呼びながら、秋晴に手を差し出してきた。
これは乗れと言う事なのだと判断した秋晴は、不気味な物を感じながらも大母神の手に乗る。
箸が転んでも笑う年代でもあるまいが、大母神は秋晴を持ち上げると自分の目線の高さまで持ち上げた。
水平になった事で、大母神の弓なりに反った瞳が間近で見える。
本当に機嫌が良いようだ。
『来類咲に手を貸したようですね?』
「大したことはしていませんよ。ちょっと拳圧で風を起こしたのと、花の中でも食べられる物があるというのを教えただけです」
来類咲が出した花は薔薇だ。
薔薇と言うのはその昔、旅人の疲労を癒すために用いられた事もある。
瑞々しいその花びらは、喉の渇きをいやすだろう。
何より彼等は皆空腹だ。
空きっ腹以上のスパイスはないと言う奴である。
「あの戦いを止めたのは“勇者”です脇役の出番なんてありませんでしたよ」
『そうね、所で秋晴?実はあなたがいない間に、世界を渡る魂の気配を感じたのです。それも二回も』
「う……」
実は心当たりがありまくるため、秋晴はとっさに大母神から目を逸らした。
彼女に嘘をつく事は上位の神格を持つ神でさえ不可能だ。
顔を逸らした事で誤魔化せるとも思えないが…それでも反応してしまうこれは多分本能だ。
『所で秋晴?私が貴方に上げたのはオリ主を抑えるための“戦うための力”とある程度世界を修復出来て通信にも使える“リモコン携帯”そして“世界を渡る力”ですよね?』
「…どれも必要な能力ですので…罰はいかようにでも…でもかなうならば手加減をお願いします。俺は人間であって神ではないので…」
『役目以外での使用を責めているわけではないのですよ?いつ何時、貴方が能力を使う事を私が制限しました?』
「は?それならどういう…」
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