第百六十話 謀略の花道
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は卑しき役者にございますれば、皆様と同じ席に立つ事すら恐れ多い事にございます」
マリアの意図を知っているテレーゼは最上の笑顔で答える。
「そんな事はないわ、貴方達は帝国の皆に笑みを与えているのですから、卑しいなぞとんでも無いわ、ねえ、マルガレータ」
聡明なマルガレータはテレーゼがこの場雰囲気を良くして、平民と貴族との垣根を低くしようとしていると素早く考え、相づちを打つ。
「ええ、御姉様、私もGIO48は大好きですから、卑しいなんて思いません」
それを切っ掛けにみんながGIO48は大好きだと口々に話し出した。これにより場の雰囲気が和らぎ、お茶会が和気藹々と始まった。
お茶会の最中には、テレーゼ、マルガレータ、カーテローゼの3人でGIO48の真似をしてみんなを驚かせたりした。
「みんな今日は私達のライブに来てくれてありがとう」
「みんなのアイドルテレーゼちゃん」
「とっても元気なカリンちゃん」
「みんなの妹マルガレータちゃん」
「私達、チェックメイトシスターズ」
その結果、それに入りたいと、サビーネが参加してりして、今まではリッテンハイム侯の影響で自分に対等の友達がおらずに、傅くような取り巻きしかおらず、歪みが出てきていたサビーネが素直で優しい性格になり、カリンやマルガレータと仲良く遊ぶようになり、母親のクリステーネからもテレーゼが感謝される事となり、益々姉妹仲が良くなっていく。
その後お茶会の最中に、ヴァンフリート星域会戦の話題がテレーゼの何気ない一言から始まった。これも先にテレーゼが仕込んでいた事である。
「そう言えば、オフレッサーは未だ帰ってこないの?」
「はい、父は今、ヴァンフリート星域からの帰途にありますので」
「ヴァンフリート星域会戦か、あれはもう少しで完勝できたって、軍務尚書が父上に話していたわ」
「殿下、この様な場所での話題ではないと存じますが」
侍従武官のマルティナ・フォン・バウマイスター中佐が知っていながら苦言を述べる。
「マルティナ、良いじゃない、昨今では女性も士官学校へ入校できるようになったんだし、たまにはこんな話題も良いと思うのよ」
マルティナは諦めた様な顔をして返答した。
「御意」
「でね、聞いた話では、今回の叛乱軍基地の情報は向こうに潜入させたスパイの手柄だそうよ」
「へー、優秀なスパイがいるんだね」
軍事貴族のクラリッサが早速興味を示す。
「ええ、一人は通称ダージリン、亡命を装った貴族令嬢と結婚してスパイになったそうよ」
「へー、亡命者を装い汚名を背負ってでも、帝国の為に情報を寄越すなんて、頭が下がるね」
「ですね、其処までしてくれるとは、何時か帰国してもらって報いたいですね」
クラリッサの言葉にカロリーネが返答する。
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