もう一人のイレギュラー
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い…」
一夏はゆっくり身体を椅子から離して立ち上がる、その際に妙に椅子に身体がべったりとはり付いていた様な感覚がしていた。
「お、織斑 一夏です…」
一夏は自分の名前をいい終るが、女子達はまだ期待しているような目で一夏を見つめていた。一夏は凄まじい緊張の中これ以上何いえばいいんだよ…と混乱しながらも必死にどうしたらいいかと模索する。そして模索した結果が
「以上です!」
ドタタタタタタッ!!!期待に満ちていた女子生徒多数が椅子からずり落ちる音が教室に響く。一夏はへ?っと思わず言葉を漏らしながらポカンとしてしまう、思わず勇太は「それはないだろ」っと呟いてしまう。が次の瞬間にはパアンッ!いきなり頭を叩かれた。
「いっ――――!?」
一夏は突然頭に与えられた衝撃に驚く。頭を摩りながら前を見ると
「げえっ、顔のないスフィンクス!?」
パアンッ!とまた叩かれた一夏、これは流石に一夏が悪いのか?
「誰が何時も笑って這い寄る混沌だ馬鹿者」
低めの声が一夏の耳に響く、今にもお前を発狂させてやろうかという幻聴が聞こえてきそうだ。
「あっ織斑先生、もうご用事は終わられたんですか?」
「ああ、山田君。クラスへの挨拶を押し付けてすまなかったな」
「いえっ。副担任ですからこれくらいの事はしないと・・・・・・」
山田先生は涙を拭きながら、千冬の後ろへと下がる。千冬は教卓に出席簿を置き、手を置いて声を張り上げた。
「諸君、私が織斑千冬だ。君たち新人を一年で使い物になるように育てるのが仕事だ。私の言う事はよく聞き、よく理解しろ。出来ないものには出来るまで指導してやる。私の仕事は弱冠十五歳を十六歳までに鍛え抜くことだ。逆らってもいいが、私の言う事は聞く事、いいな」
どう聞いても独裁国家、絶対王政の権力者がいいそうな言葉を口にしながら生徒に言い聞かせる。が、女子達は恐がるどころか千冬に会えてテンション倍増。
「はぁ…よくもこれだけ馬鹿者が集まるものだ。私のクラスにだけ馬鹿者を集中させているのか?」
「それはお前だからだ織斑先生」
そのとき、明らかな男の声がした。だが一夏や勇太とのような少年の声ではない。凛々しく威厳がある声だ。千冬は少し苦笑しながら
「それは褒め言葉と受け取って宜しいでしょうかね、ナンブ先生。それと入って挨拶を」
その言葉に連動するように教室にドアが開かれた。そこから教室に入ってきた人物にクラス一同は驚愕した。鋭い瞳に凛々しい顔立ち、整った体付きをしている。そして肩に乗っている黄色の可愛らしい生物。
「元戦武人、キョウスケ・ナンブだ。お前達を1年でまともなISの知識を定着させ動かせるようにするのが俺の仕事だ。俺の言う事は聞き逃すな、一語一句聞き取って頭
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