勇者召喚にはご用心
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。
大母神にきついお仕置きを下してもらっているといいなと思う。
「それよりも!!」
「うお!!」
いきなり布団をはね上げて来類咲が飛びかかって来た。
身体能力が強化されているので、その動きもしっかり見えてはいたのだが…むしろしっかり見え過ぎていたために避けられなかった。
来類咲の必死の形相に金縛りになってしまい。
その勢いのまま押し倒されてしまう。
「な!!何を…」
「助けてくださいッス!!」
どこかの演劇みたいな言葉を女性有利なポジショニングで言われた。
来類咲は今、秋晴の上にまたがっている。
自分がどんな格好をしているのか分かっていないのか?
「わ、私だけじゃできないッス!!無理言わないでほしいッス!!」
「ま、待て待て!!」
「勇者様!!」
「「っつ!!」」
息をのむ音が重なった。
二人揃って部屋の扉を見て、改めて自分達の状況を思い出す。
「まず…警護の人間か?」
「はい、こっちへきてッス!!」
見た目の華奢さを裏切る腕力を発揮した来類咲が、秋晴を引きずって行ったのは…。
「おいおい、本気かよ?」
「早く!!」
気が引ける物はあるが、この状況において問答をしている余地はない。
秋晴は諦めて来類咲に従った。
「失礼します!!」
直後、扉をぶち破るいきおいで開け放ち、護衛の兵士2人が室内に入って来た。
「御無事ですか!!」
「はい…お騒がせしまたッス」
兵士達を来類咲の言葉が迎える。
彼女はベッドの上、上半身を起こした状態だ。
それを確認した兵士は、室内に他に誰かいないか注意深く観察する。
「…何者かがいませんでしたか?」
「いいえ、ああ…少し夢見が悪くて、魘されていたかもしれないッスね、ハハハ…」
「それにしては、男の声がしたような…」
「そ、それはごのぎょう名声でずか?」
デスメタルに声を変える来類咲に、兵士達は訝しげだ。
その様子に来類咲もタラリと冷や汗をかく。
「…テラスへの扉が開いていますね?」
「ギク、し、閉め忘れていたかもしれないッス。で、でもここは城の高い部分にありますし…」
「それはそうですが…」
テラスの下は絶壁だ。
ここから入ろうとするなら羽があるか垂直の壁を“十数メートル登る”必要がある。
流石にそれは無理だろうと考えた兵士は、まだ腑に落ちないながらも敬礼をして部屋を出て行った。
夜中に年頃の女性の部屋にいる事の不躾さを気にしたのだろう。
「ふう…」
「大胆な事するな…」
ゴソリと、来類咲の布団が彼女の動き以外の理由で動いた。
めくられた布団の中から出てきたのは秋晴だ。
とっさとはいえ、自分と同じ布団に男を
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