勇者召喚にはご用心
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どうかすら、今の時点では不明なのだが、能力次第では問答無用でこの世界から排除しなければならなくなる。
未だ錯乱して暴挙に出ていないのは、選んだ能力が戦闘向きではないかまだ理性が残っているか…どちらかと言えば前者だと嬉しいのだが…。
「いい加減面倒を丸投げするのはやめてほしいなホント…見た目10歳でも俺よりはるかに長く生きているはずなんだから…っとついた」
上層部にある部屋のテラス、その手すりに手を掛けると一気に体を引き上げて、音もなく床に降り立つことで秋晴のロッククライミングは終わりを告げた。
この場所は城のかなり高い場所にあるため、まさかテラスから侵入する人間がいるとは思っていないのか監視する人間はいない。
「まあ、やるのは俺くらいだろうけどね…」
リモコン携帯で、ガラス扉の先に来類咲がいる事を確認する。
そっと手を掛ければ、扉は部屋向きに開いた。
カギは最初からかかっていなかったようだ。
「あれだな…高層マンションの上層階の人間が、下着ドロなんて気にせず洗濯物を干すような感覚なんだろうな…」
最初の時点で防御を固めていたため、内側に入ると逆に気が抜けているのだろう。
それは悪い事ではない。
来類咲にとってはともかく、秋晴にとっては忍び込む手間が省けるのでいい事だ。
音もなく、風と一緒に部屋の中に入る。
「…誰ッスか?」
「は?ッスか?」
入った瞬間誰何されて、しかもそれが妙なイントネーションと語尾だった事に、秋晴はその動きを止めた。
見れば、暗い室内の先…ベッドの腕に座っている女性…事前資料に在った来類咲顔が自分を見ている。
自分の侵入に気がついて声を掛けたというよりは、扉を見ていたら、たまたま視界の中に秋晴が入った喉驚いているような…きょとんとした顔で見られ、秋晴も次のリアクションに困った。
「あ、ひょっとして大母神様の裁判官じゃないッスか?」
「あ〜多分そうだと思う…ッスって…」
心当たりはある。
実際似たような事をしてきたのだ。
オリ主にとっては恐怖のまとだろう。
所で●●ッス…と言うのは彼女の口ぐせか?
「とりあえず、俺の名前は秋晴…それで、なんで俺の事を?」
「秋晴さんッスね、秋晴さんの事はあの小さくて大きな神様から聞きいたッス」
間違いなくあの幼女神の事だろう。
見た目は確かに幼女なのだが、そこはやはり神様…実際の身長は10メートルはある。
文字通り小さくて大きな女神さまだ。
「とっても怖い人って言っていたッス。だから逆らっちゃダメって…」
「あの幼女神…」
逆らわない方がいいと言うのは彼女なりにいろいろ配慮した結果だろうが、それ以上に余計過ぎる事を吹き込みまくっていたようだ
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