勇者召喚にはご用心
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城の高い所…何故か権力者とか重要人物の居場所は高い所というのがセオリーなのだが…本当に何故なのだろうか?
そんな事を考えつつ、同時に今回のオリ主である来類咲の事も考えている。
勇者召喚…王族や魔法使いが魔方陣やら何やらを使って他所の世界から人材を本人の意思を無視して拉致する…言い方は悪いがやっている事はそのまんまだから仕方がない…というものだ。
実はというか勿論というか、これにも神の意志が関わっている。
そもそも、召喚の儀式自体が、以前転生やトリップがはやった時に神々が神託で広めた物である。
幼女神もその例にもれなかったのだが、幸いなことに今まで執り行われる事はなかった。
しかし今回、迫る“危機”を前にして、何処から掘り出してきたものか儀式の資料を入手したこの国の王が大神官辺りに命じてやらかしたと言うわけだ。
「今回の場合、その召喚理由が問題なんだよな…」
勇者召喚のデメリット…目的があって呼ばれるため、呼ばれた人間は召喚された時点で強制的に何らかの役を負わされる事になる。
もう一つ、神から見た勇者召喚とは、それを意図したものではないとはいえ、人間が自分達に向けて出すSOSでもある。
自分達でどうにもならないからこそ勇者を欲するからだ。
世界の衰退に相当焦っていた彼女は、この要請にこたえなかった場合に、世界の衰退が更に加速するかもしれないと悩み、悪いと思いつつも禁忌を犯した。
これで何とか問題を解決し、世界が立ち直れば自分がお仕置きを受けるくらいとか…本人にとっては割と悲痛な事を思ったようだ。
そこまでは良い…いや、実際にはよくないのだが…幼女神は衰退とSOS、初めての勇者召喚と大母神からのお仕置きを気にするあまり、最も肝心なことの確認を忘れていた。
すなわち…何故彼等が勇者を欲したのか…その理由を確認し忘れていたのだ。
この世界に来類咲を放り込んだその直後に、彼女と神官達の会話から勇者召喚の目的を知った幼女神はショックを受けて真青になり、大母神に泣きついてきたというのが事のあらましである。
「話を聞けば一概にあの幼女神だけを責めるのは気が引けるけど…迂闊と言えば迂闊だな〜」
大母神は彼女にどんな罰を与えるつもりだろうか?
事情を考慮しても、無罪と言う訳には行くまい。
オリ主ならば秋晴がいくらでもぶんなぐれる…とはいえ正直あの見た目幼女を本気で殴れる自信はない…のだが、神を裁けるのは基本的に頂点の神格を持つ大母神だけだ。
「…後は勇者の来類咲の能力が分かれば…やりようもあるんだけど」
秋晴にとっての一番の頭痛の種がそれだ。
どうやら彼女は自分で能力を選んだらしく、幼女神も彼女の能力の内容を知らないらしい。
それが危険なものか
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