第三話「サッカー/SOCCER」
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いに行くところなんだよ?タケル君も一緒に行こう?」
「い、いえ…遠慮しておきます……僕、食欲が……」
「いいから?遠慮はいらないよ?」
「……」
僕は困っていると、再びあの「妄想」の声が士朗さんの姿を背景に聞こえてきた。
(この役立たずが……!)
「!?」
その瞬間、僕は急に膝が落ちてパニックに陥ってしまった。そして、急に締め付けるかのような息苦しさが僕を襲う。
「うぅ……!?」
発作だった。僕は両手で口を覆い、呼吸難に苦しみだした。最近起こりはしないと思っていたのに、今日に限って……
「た、タケル君!?」
士朗さんが急に様態が悪化した僕に近寄るが、僕は士朗さんの差し伸べる手を振り払って土手を駆け上り、失踪してしまった。
「ま、待ってくれ!タケル君!?」
士朗は先にレストランへ行くように選手たちへ言いかけると、タケルを探しに駈け出した。
「タケル君どうしたの!?」
疾走する彼の場面を目にすずかは驚いていた。
「やっぱり、集団のスポーツだからまずかったかな?」
アリサは予想していたアクシデントに納得していた。
「私、タケル君を探しに行ってくる!二人は先にレストランで待ってて!?」
なのはも士朗に続いてタケルを追いかけに行った。
*
「……」
僕は怖くなってライト博士のもとへ向かおうとそこに続く歩道を歩いていた。
『タケル……やっぱり君はサッカーが嫌いだったのかい?』
すると、リュックからモデルXが僕に囁いてきた。また、モデルXは僕とテレパシーで会話もできるため、人ごみではいつもそうして会話をしている。
「う、うん……」
『そうだよね?でも、君は士朗さんの期待を裏切りたくなかったんだよね?それで無理をしてまでもサッカーに出たんでしょ?』
「……」
僕はうなずくと、モデルXは優しく慰めてくれた。
『君は本当にやさしいね?自分のことよりも他者に合わせようとするなんて……でも、逆に無理なことに付き合うと、今度は逆に相手が心配してくるよ?今頃士朗さんは君を必死になって探していると思う。会ったら素直に自分の思うことを打ち明けよう?』
「うん……」
『大丈夫、僕も一緒に居てあげるから勇気を出して?ね?』
「……」
「あら?あなたは!」
「え?」
その声に僕は振り向くと、後ろには学校でよく絡んでくる……じゃなくて!よく合うクラス委員長の……白金さん?別名委員長。
「委員長……!?」
僕は警戒して逃げようとしたが、目の前に巨大なお腹と正面所とつしてポヨヨンと跳ね返って尻もちをついてしまった。巨大なお腹の正体は牛島君の腹部であった。
「よ!帽子野郎」
「……!?」
僕は彼がいることに驚いてまた虐められるのではないかと怯えていると。
「まちなさい?別に休日のプライベートくらい私は指導をかけたりしないわ
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