8部分:第八章
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り低いってことですね」
「その通りだ。それは殆どない」
役もそこを言う。
「まずはな。ない」
「じゃあ最初から気配がないってことですね」
「有り得ないな。普通は」
「そうですね。生きていれば気配があるってもんです」
だとすれば考えられる可能性は限られていた。それは。
「死人。ですかね」
「可能性はあるな」
役はそちらの可能性を考えた。
「若しくは。ドイツだな」
「はい、そこにもありますね」
「しかもこお辺りは中欧と言ってもいい。つまりは」
「スラブに近いですね」
スラブという言葉でまた本郷の顔色が変わった。まるで戦う前のような顔になったのだ。
「ということは」
「バンパイアか」
吸血鬼について言及が為された。
「その可能性もあるな」
「ですね。バンパイアだとすると」
「剣呑な相手だ。何時来るかわからないぞ」
「こちらから先に仕掛けますか?」
本郷はここで積極案を出してきた。
「相手が相手です。やられる前に」
「それには及ばない。バンパイアなら手はある」
「銀ですか」
「そうだ。君も持っているな」
「勿論ですよ」
本郷は不敵な笑みを浮かべて役の言葉に応えた。
「この刀で斬れない邪な奴はいないですから」
「そうだな。君の刀ではな」
「だから大丈夫ですよ。相手がバンパイアでもね」
「では安心していいな。しかし」
役はここでまた言った。
「少なくともまともな人間だとは考えない方がいいな」
「そうですね。あの美人さんは一体何者なんだか」
「それを掴む為にも今は静かにしておこう」
「とりあえずは夕食ですね」
「そうだ。さて」
役はここまで話して氷像を変えた。穏やかなものになったのであった。
「何が出るかな」
「夕食ですか」
「ドイツの食事だ。それなりに楽しみにしているのだがな」
「ドイツ料理は質素って言いますけれどね」
これは隣国のフランスやイタリアと比べた場合である。しかし日本においてはドイツ料理も中々人気があるのだ。メインはソーセージとジャガイモであるが。
「これが中々。いけるんですよね」
「これは私の予想だが」
「ええ」
話は夕食の献立に移っていた。
「ギドニーパイが出るな」
「豚の臓物のパイですか」
「それと燻製だ」
続いてこちらも予想してきた。
「おそらく大きなソーセージを茹でたものだ」
「あとはスープですかね」
本郷もそれに続いて食事の予想を立ててみた。
「ポタージュですかね。白いジャガイモの」
「そうだな。そしてザワークラフト」
野菜に関しても予想が立てられる。
「ジャガイモと黒パン。こういったところかな」
「デザートはケーキですかね」
「そうだな」
デザートについても予想が立てられる。
「生姜のケー
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