少年は剣の世界で城を上るようです 第二層
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Side 愁磨
はじまりの街の広場、俺はフードを目深に被って、あるプレイヤーの呼びかけに応えていた。
「ではこれより、第一層ボス討伐作戦会議を始める!私が、君達を招集したディアベルだ。
まずは、集まってくれた事に感謝する。」
茅場が「これはDEATH☆GAMEだ」と宣言してから約一か月、第一層すらクリア出来ずに2000人が死んだ。
ナーヴギアの取り外しを試みた為に死んだ者は600人に増え、戦闘で死んだ者は1000人に上った。
・・・残り500人は、自殺や仲間内での無理心中と言うからやるせない。
「(そんな中立ち上がったこいつは、凄いとは思うけどな……。)」
「それじゃあまず、パーティを作ってくれ。」
先導者よろしく演説していた青髪のディアベルとか言うプレイヤーが、凄まじい事をのたまった。
ボスと戦う時の小隊が必要とは言え、『はーい、好きな人と組んでねー』な事をネトゲで言うとは・・・。
と心配したが、集まったのはどうやら仲間内ばかりらしくあっという間にパーティが組まれ、
少々離れた所にいたキリトと思しき奴も、俺と同じようにフードを被ったぼっちと組めたようだ。
「(……さて、困った。このままボッチだと目立つが、まさかノワール達が来るのを待つ訳にもいかない。)」
「ちょぉ待てや!」
俺が困っていた所で、オレンジ色のモヤっとボールみたいな頭の関西弁が広場に飛び込んで来た。
一々馬鹿の言う事に付き合う事も無いので要約すると、『βテスターずっこい、二千人も死んだのはお前らの
せいだ。だからここで土下座してアイテム全部、全プレイヤーで分け合うべきだ』的な事だった。
「なんともまぁ、愚かを通り越して哀れと言うかどうしようもない馬鹿だな。」
「あ゛ぁ!?なんやと!?」
「………おや、思わず口に出てしまったか。いや、邪魔をして失礼。ああ、勘違いするな関西弁。
お前に言ったのではなく、そこな褐色のお兄さんに言ったんだ。」
俺が指差すと、その場の全員が立ち上がったお兄さん(おじさんと言いたいのは我慢した)を見る。
若干困った様に禿頭をポリポリやると、前に進みつつ馬鹿の考えを訂正する。
「……全員、道具屋でガイドブックが無料配布されている事は知っているだろう。
あれはβテスター達が持ち寄った情報で作り上げたものだ。」
「な、なん……やと。」
「βテスターは初心者を見捨てた訳じゃない。…それでも、2000人もの人間がこの世界から脱落した。
この場で論議されるのはβテスターに対する弾圧じゃない、その2000人の犠牲をふまえてボスに挑む事だ!」
「……チッ!」
褐色禿頭
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