少年は剣の世界で城を上るようです 第二層
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「な、何やと!」
キバオウの目の前で止まり、僅かに顔を寄せながら厭らしく笑うキリト。
恐れを隠すかのように気丈に振る舞うキバオウだが、その引けた腰と上ずった声で丸分かりだ。
尤も、この場でそんな事を気にしているのは俺達くらいだが。
「βテスト当選者の千人の内の殆どはレベリングのやり方も知らない初心者だったよ。
今のあんたらの方がまだマシなくらいにな。でも俺はあんな奴らとは違う。
俺はβテスト中に他の誰も到達出来なかった層まで上ったんだよ。刀スキルを知ってたのは、
ずっと上の層で刀を使うモンスターと散々戦ったからだ。他にも色々知っているぜ。情報屋なんかとは
比べものにならないくらいな………!」
尚もキリトはある事無い事をのたまう。いくらこいつが凄いプレイヤーだろうが、
千人の中にはβ中一度もログアウトしなかった廃人が少なくとも数人は居るだろう。そいつらが熟す
トライ&エラーに勝てる訳も無い。例え勝っていたとしても、そいつらがボス間まで到達出来ないとも
考え難い。自然、キリトが行った層には複数経験者が居ると言う結論に達すると思うのだが―――
「な、何やそれ……。そんなんβテストどころかないやないか!もうチートやチーターやろそんなん!!」
「そ、そうだ!そうだ!その通りだ!」
「βのチーター、だからビーターだ!」
キバオウの叫びに、他のプレイヤーも賛同し声を荒げる。つかそのネーミングセンスどうにかならんのか。
人に言える程自分のネーミングセンスが良いとも思わないが、いやあれよりはマシだろう。
と、その声にキリトはニヤリと嗤う。
「成程、ビーターか。……いい呼び名だな、それ。」
その言葉に思わず絶句するプレイヤー達。それに向かって、キリトはゆっくりと言葉を紡ぐ。
・・・あ、もしかして俺のセンスが間違ってるのか?ビーターってカッコいいのか?
ならこれからキリトの事出会い頭にはビーターって呼んでやろう。会ったら、だが。
「そうだ、俺はビーターだ。これからは元テスター如きと一緒にしないでくれ。」
そう言い、キリトはメニューウィンドウを操作した。すると、黒いコートがキリトのハーフコートの上に出現。
そしてもう一度嗤うと、ボスを倒した事により出現した第二層へ続く階段をゆっくりと昇って行った。
誰しもが固唾を飲んで(一部例外)それを見送る。・・・と、思った俺を裏切り、キリトの相方が声をかけた。
残念ながら此方からでは口の動きが見えないが、その肩と仕草を見るに・・・。
「笑ってるな。」
「ええ、笑ってるわね。それも楽しそうに。」
一瞬戸惑った様子のキ
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