少年は剣の世界で城を上るようです 第二層
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光り、悪足掻きとも見えるランダム攻撃が放たれる。
「・・・"ダンス・ソード"。」
「"ソニック・ストライク"!」
ガギギギギギギギギギギン!
『グォォオオオオオオオオオオーーー!!』
そのランダム攻撃を、ノワールの連続突きとアリアの回転斬りが受け止め弾く。
―――その一瞬、タイミングを完全に呼んだかの如く飛び出す影が二つ。
「はぁぁぁぁああああああああああああああああああああああ!!」
ズンッッ!
「うぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
ザザンッ!!
『ギュアグァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!?』
栗色の長いストレートヘアを靡かせた少女の細剣の突きと黒い風の二連撃が無防備なコボルトロードの
胸部へ吸い込まれ、三度目の咆哮。しかし今度は明らかな絶叫だった。
空中で仰け反ったまま不自然に硬直し、通常モンスターとは比べ物にならない量の青いポリゴンとなって爆散。
それと同時に、目の前に【Congratulations!】の文字が簡素に現れた。一瞬の間を置き、部屋は
歓声に包まれた。しかし、最前線の五人は喜んではいない。なぜなら――――
「なんでや!なんでディアベルはん見殺しにしたんや!!」
「……見殺し?」
キバオウの言葉に歓喜に包まれていた部屋は静まり、キリトはユラリと後ろを振り向きにらみつける。
そう、ボスの攻撃を受けたディアベルは、既にこのゲームと現実から退場していたのだ。
最前線で戦っていた俺達ですら事情を把握しているんだが、こいつは後方でなにをやっていたんだ?
「そうやろうが!自分はボスの使う技、知っとったやないか!最初からあの情報を伝えとったら
ディアベルはんは死なずに済んだんや!」
「……きっとあいつらβベータテスターだ。だからボスの攻撃パターンを全部知ってたんだ。
他にもいるんだろ!出てこいよβテスターども!」
センチネルと戦っていた一隊の中からそんな叫びが聞こえ、プレイヤー達の目が変わった。
この巫山戯た世界から皆を開放すると言う、志を仲間を信じる目から、仲間を疑う目へと。
うっわぁ、やっぱ面倒な事になったよ。瞬時に武器を見分けたからって攻撃パターン分かるかよ。
「く、ククククッ、フハハハッ!クハッ、ハハハハハハハハハッ!」
「な……何がおかしいんや……。」
突如俺達の横で乾いた笑い声が響き、その声で、嫌悪に満ちていた部屋はの空気は霧散。
嗤った黒い風に、他のプレイヤーが新たに抱いた感情は・・・恐らく、恐怖。
「元βテスター?俺を、あんな素人連中と一緒にしないで欲しいな。」
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