例えばこんな子供が出来ちゃったなんて言えるかバカ
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9月9日 ガチでマジの秘密基地
「ま〜ま?」
「そう、あの白い髪の人がママでちゅよ〜♪」
「まま〜!」
人の足にひしりと抱き着き、何が楽しいのかキャッキャッとはしゃいでいる子供。外見年齢や知能は恐らく3歳前後くらいか。・・・ってそんなことはどうでもいい。猫撫で声でその子供に妙なことを吹き込むトラッシュを私は有らん限りの眼力で睨みつけた。
「おい、誰がママだ誰が」
「ジェーンに決まってるだろ、遺伝子提供者さん?」
「・・・・・・そう、いうことか」
今まで出来るだけ考えないようにしていたが、とうとうこの日が来たか。
アートマンは人格やら常識やらと言った大切なものを母親の胎盤の中に置き忘れて生まれてきたせっかちだ。せっかちだから・・・わずか数か月で人造人間をつくる位訳なかっただろう。あいつは生物工学に関しては恐らく篠ノ之束を上回る天災の一人なのだ。
つまりさっきから嬉しそうに私の足元をちょろちょろしている黒髪のガキンチョは・・・私の遺伝子とゴエモンの遺伝子を組み合わせたハイブリッドヒューマンだということ。13歳の母親とか何所の国だ。
「まま♪」
「ほれ、だっこしておやり?」
「・・・ひょいっと」
抱っこの仕方が分からんので取り敢えず抱えてやると胸元に抱きついてきた。・・・ちくしょう、どうすんだこれ。誰が育てるんだ。トラッシュとアリスか・・・後はタイトくらいか、まともに面倒見てくれそうなのそれくらいのもんだぞ。
どうしようか・・・組織の指示で作られたんだから組織の指示に従うのが筋なんだろうが、育休とか取れるだろうか。
「一応聞くが、もう一人はどうした?」
「アリスが面倒見てるよ。それと、これ」
「? 指令。誰かさんはこれより人造人間壱号と弐号に名前を与え、2人を学園祭に連れて行くべし。その際の二人の管理はその一切をお前に任せるものとするが、協力者は事情を知る権利のある人間に限るものとする・・・ふん!」
片手でガキを抱えながら器用に命令書をぺりっと破り捨てる。よよよ、とトラッシュがワザとらしく泣き真似をしているがこちとら頭が痛いんだよ。事情を知る権利がある人間ってもう一人の遺伝子提供者しか居ねえじゃねえか。何をどう説明するんだ。「私たちの子供よ」とかいって頬を赤らめろとでも言うんかあの糞上司は。とうとう狂ってしまったのかそうなんだな。
「トラッシュ、他の連中を集めろ。この組織はもう駄目だ、アートマン以外の皆で構造改革しよう」
「そんな権利うちらにないって」
「煩い黙れ。私達にだってストライキする権利くらい多分あるはずだと思うような気がする」
「・・・くぅ・・・すぅ・・・」
「ほら、こいつも人権が欲しいと叫んでいるぞ。流石我が子、自由への闘争を望んでいる。王の素質だ」
「ね
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