自己紹介
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く違うのは、その圧倒的なまでの感情の起伏のなさ。
他者に対して全く興味がないのか。
当初――顔合わせの時に、その顔の良さからフォークを初めとして、後輩たちも積極的に声をかけていた。
だが、その全てがあっさりとかわされた。
小振りな美しい口から出るのは、丁寧ながらに絶対的な否定の言葉だ。
それでも諦めずに声をかける後輩たちが可哀そうで仕方がない。
困ったものだと、テイスティアは苦笑する。
落第生だった自分が後輩の心配をしているのだから。
でもと、テイスティアは思う。
そんな僕を先輩たちは見捨てないでくれた。
「フェアラートさん」
「何ですか?」
声をかければ、無視をされるわけではない。
だが、そこに好意的な感情は一切なかった。
多くがその時点で心を折られる。
「先輩としていうけどね。先輩に対する言葉づかいは気をつけた方がいい」
「丁寧にお話をさせていただいたつもりですが」
「丁寧だからいいってものじゃないよ。特に怒らせてはいけない人ってのが、この世にはいるんだからね」
挑発をしていただろうと、暗に言葉を込めて強くライナを見た。
するとライナは小さく眉をあげた。
「先輩方は挑発をしにいったわけではないのですか?」
「え。わざとなの」
驚いたテイスティアの言葉に、ライナは小さく頷いた。
「ええ、わざわざ挨拶にいくわけですから。マクワイルド先輩を挑発して、平常心を奪うのが目的だったのかと思っておりました」
「いや、平常心が奪えるかなぁ」
テイスティアが唸る。
アレスを挑発すれば、平常心が奪えるだろうか。
むしろ、逆効果で、沈着冷静に完全完膚なきまでに叩き潰される気がする。
「では、なぜ挨拶にいったのでしょう。まだ正式には発表されていないわけですから、早く顔を見せれば、それだけ相手に準備させる時間ができるのでは?」
それは正論だった。
まさか彼女はフォークが手に入れたおもちゃを他に自慢したかっただけという、子供じみた思いなど想像もしていないのだろう。
そう彼女は間違えていない。
だからこそ――恐いなぁ。
正論だけが正しいわけではない。
特に人間関係であればこそだ。
「それはフォーク先輩には先輩の考え方があったのだと思うよ」
「どのような考えか教えていただけると嬉しいのですが」
小首を傾げて、ライナはテイスティアを――そして、先頭を歩くフォークを見た。
そんな言葉に対して、フォークがまともに答えられるわけがない。
「君らが考えることではない。しゃべってないで、さっさと授業の準備でもしたらどうだ。そうそうチームの発表は明日になるだろう、それまでは個人で訓練しておけ」
不快気に眉をしかめれば、踵を返
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