暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX−音速の機械戦士−
―砂の異世界―
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に動かして衝突を避ける。なんとか岩を避けながらバイクでアカデミアに向かうが、そこでバイクとアカデミアの間の砂漠地帯に蟻地獄のようなものが出来たかと思えば、そこから巨大なモンスターが地下から姿を表した。

「明日香、あのモンスターは……」

「確か、《サンド・ストーン》!」

 最初期の通常モンスター故に名前を思いだせなかったが、明日香のおかげで名前とフレイバー・テキストが頭に浮かぶ。確かに砂漠地帯の地下から現れて、その触手を俺たちに振るおうとしている。

 もちろんその触手に当たればバイクごと俺たちは粉々になり、蟻地獄に巻き込まれれば俺たちは脱出不能になるだろう。幸いなことに《サンド・ストーン》とはまだ距離が離れているが、接近してしまうのは時間の問題だ。

 ……だったら俺がするべき行動は一つだけだ。

「デュエルだ、サンド・ストーン!」

 バイクの操縦桿から手を離してデュエルディスクを展開すると、遠くのサンド・ストーンの前にもハーピィ・レディたちと同じように、五枚の初期手札が展開される。モンスターだろうとデュエリストならば、デュエルを受けたならば断りはしない、ということか。

「大丈夫なの遊矢!?」

「……三沢がやってるんだ、俺がやれない訳がない!」

 バックミラーを見て三沢を確認してみると、ハーピィ・レディの内一体を閻魔の使者《赤鬼》によってライフポイントを0にしていた。まだ三沢に余裕は有りそうだったものの、こちらの《サンド・ストーン》とまでデュエルすることは出来はしない。

「明日香、運転頼む」

「ええ、わかったわ」

 明日香が俺の腰から手を離して操縦桿を握り、俺の肩の上からひょっこりと顔を出して前方を確認する。《サンド・ストーン》がいる蟻地獄までは、少し距離があるものの急がなくては間に合わない。

『デュエル!』

遊矢LP4000
サンド・ストーンLP4000

 いきなりすることとなったモンスターとのデュエルにも、愛用のデュエルディスクは問題なく起動してくれたものの、残念ながら『後攻』の文字が示された。……初めての異世界でのモンスターとのデュエルだ、慎重ぐらいで良いのかもしれないが。

 サンド・ストーンの前のカードが一枚増えると、その後に三枚のカードが裏向きにセットされた。一枚のカードをドローし、モンスターのセットと二枚のリバースカードのセットを済ませたようだ。

 そこで俺のデュエルディスクが反応し、俺のターンになったことが分かる。

「楽しんで勝たせてもらうぜ! 俺のターン、ドロー!」

 異世界のモンスターだろうと俺の信念は変わらない。そして相手が三枚のカードをセットしただけの、まるっきり未知のデッキだろうと【機械戦士】のやることも変わらない。

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