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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-48異なる想い、重なる願い
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ルネコに、マーニャが声をかける。

「姐御は家に帰るんだろ?」
「そうねえ。船旅が続いたし、今日はエンドールで休むのよね?それなら、そうしようかしら。」
「うん。ネネさんと、ポポロが待ってるから。それがいいと思う」
「そうね。……ユウちゃんも、来ない?全員をお泊めするのは、難しいけれど。ユウちゃんひとりくらいなら、なんとでもなるわ!」

 暫し考えて少女に誘いをかけたトルネコに、ブライが声を荒げる。

「トルネコ殿!抜け駆けは、許しませぬぞ!」
「あらやだ、抜け駆けだなんて。あたしはただちょっと、ユウちゃんに温かい家庭の空気の中で、ゆっくりしてもらおうとね?なにしろユウちゃんは、まだ子供なんですし?それでうちを気に入ってもらえたとしても、それはそれじゃありませんこと?」
「むむう……!ならば、わしも」

 言い合いを始めたブライとトルネコの間に、少女が割って入る。

「あの。わたしは、宿に泊まるから。トルネコはネネさんたちと、ゆっくりしてきて」
「そうじゃの!ユウちゃんはわしらと、宿でゆっくり休むとするかの!」
「ブライ様……トルネコさん……。大人げ無いですわ……」

 ブライが我が意を得たりというように得意気に宣言し、クリフトが呆れたように呟く。

 マーニャはマーニャで、張り切って宣言する。

「おし!んじゃ、オレはカジノに行ってくらあ」
「兄さん……ほどほどにしてくれよ」
「わかってるよ。旅費の管理は姐御がしてんだからよ、やり過ぎようもねえだろ」
「僕の財布から抜き取るのもやめてくれよ」
「わかってるよ」
「絶対にわかってない。わかってた(ためし)がない」
「わかってるって」

 渋面で兄を諌めるミネアと軽く答えるマーニャを見て、少女がマーニャを真っ直ぐに見つめて話す。

「マーニャ。家族でも、とったらだめ。どろぼうさんになっちゃう」

 責めるでも無く、ひたすら真剣な表情で語る少女の様子に、マーニャがたじろいで微妙に目を逸らしながら、決まり悪げに答える。

「……わかったよ。やらねえから。大丈夫だ」
「そう。よかった」

 少女は安心して微笑み、アリーナが思い出したように呟く。

「今は、コロシアムでは結婚式をしているのか。また武術大会でもあれば良かったんだが。()()()いことではあるし、仕方が無いな」
「武術大会ですか。ユウ殿を探して訪れたあの場でお見かけしたアリーナ殿とも、こうして旅をすることになるとは。運命とはわからぬものです」
「あら、そう言えば。アリーナさんは、お姫さまともお知り合いなのよね?お祝いのご挨拶には、行かれましたの?」
「トルネコさん……!それは……!」

 気楽に話を振ったトルネコにクリフトが焦って口を開くが、気にした
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